D棟の荷さばき室の狭さに不満続出/八戸

八戸市第2魚市場で行われた競りの後、魚の搬出作業にあたる関係者=3日、同市
八戸市第2魚市場で行われた競りの後、魚の搬出作業にあたる関係者=3日、同市
八戸市小中野地区で今月開場した市第2魚市場(通称・荷さばき所D棟)に対し、仲買人や関係者から、荷さばき室の狭さを指摘する声が続出している。卸売業務を担う八戸魚市場は、魚の箱の並べ方を変えるなどしてスペース確保に腐心するが、5月以降は水揚げ数.....
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 八戸市小中野地区で今月開場した市第2魚市場(通称・荷さばき所D棟)に対し、仲買人や関係者から、荷さばき室の狭さを指摘する声が続出している。卸売業務を担う八戸魚市場は、魚の箱の並べ方を変えるなどしてスペース確保に腐心するが、5月以降は水揚げ数量が増加する見込み。施設内で魚を扱いきれなくなる可能性もある。盛漁期でも十分に対応できるよう、さらなる工夫が急務となっている。[br][br] 旧第2魚市場の跡地で建て替えられたD棟は、周囲を壁で囲った閉鎖型の施設。旧第2に比べ、衛生面は格段に高まった。[br][br] ただ、建設を巡って市は、事業費抑制のため荷さばき室の長さを当初設計の215メートルから185メートルに短縮。荷さばき室の広さは「開放型だった旧第2の半分程度」(市場関係者)となった。[br][br] 1日に初めて行われた競りでは、搬出口付近まで魚の箱が置かれ、電動フォークリフトでの運び出しが難しかったという。[br][br] このため2回目の競りがあった3日は、箱の配置を変えて通行スペースを確保。それでも場内では、魚を取り囲んだ競り人や仲買人らの威勢のいい声とともに、リフトのバックの警告音や、運転手の「通ります」と注意を促す呼び掛けが響いた。[br][br] 関係者は、衛生面が高度化されたこと自体は歓迎する。だが、荷さばき室の狭さから、水揚げが少ない4月の時点でも不満の声が噴出。盛漁期に対応できるのか―との指摘はやまない。[br][br] 八戸港では今後、5月の連休明けから沿岸での定置網漁が始まる。現在操業中のトロール船は7、8月の休止を経て9月に再開し、スルメイカ漁へ。12月から翌年2月にかけてはタラ漁などに移る。定置網は秋から冬にかけてのサケ漁で本番に突入。この時期は例年、小型船の夜釣りのイカ漁も盛んになる。[br][br] 水揚げ量の増加を見据え、八戸魚市場は市に対し、当初設計から短縮されたスペースに資材などを置けるよう、屋根を架けるよう要望した。同社の越後正幸取締役は、今後の対策として競りを始める時間の変更や館鼻地区のB、C棟の併用も検討するとし、「業界全体の課題。漁業者の協力も得ながら取り組みたい」と強調する。[br][br] 複数の仲買人や船関係者は「手洗いや服装、マスクなど、実際に使う側も衛生面の意識を高めなければならない」と話す。八戸市第2魚市場で行われた競りの後、魚の搬出作業にあたる関係者=3日、同市