規制委、柏崎刈羽に運転禁止命令 商業炉で初

 東京電力柏崎刈羽原発に事実上の運転禁止命令を出し、記者会見する原子力規制委の更田豊志委員長=14日午後、東京都港区
 東京電力柏崎刈羽原発に事実上の運転禁止命令を出し、記者会見する原子力規制委の更田豊志委員長=14日午後、東京都港区
原子力規制委員会は14日、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の核物質防護不備を受け、同原発での核燃料の移動を禁じる事実上の運転禁止命令を出した。プールに保管中の燃料を原子炉に装塡(そうてん)できなくなり、再稼働は当面不可能になった。原子炉等規制.....
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 原子力規制委員会は14日、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の核物質防護不備を受け、同原発での核燃料の移動を禁じる事実上の運転禁止命令を出した。プールに保管中の燃料を原子炉に装塡(そうてん)できなくなり、再稼働は当面不可能になった。原子炉等規制法に基づく是正措置命令で、規制委が商業炉に出すのは初めて。[br][br] 東電は柏崎刈羽原発の早期再稼働によって、福島第1原発の廃炉や賠償費用を捻出する計画。命令解除の時期は見通せず、経営再建計画への影響は必至だ。[br][br] 禁止期間は、東電の自律的な改善が見込める状態になるまで。規制委は東電の経営層を含めた関係者の核物質防護への認識などを調べる追加検査を実施する。検査は新たに設置したチームが担当し、1年以上かかるとしている。また、東電には9月下旬までに原因分析と再発防止策の報告を求めている。[br][br] 柏崎刈羽原発は全7基が停止中で、東電は最初に7号機の再稼働を目指しているが、検査終了まで手続きは進まない。[br][br] 更田豊志委員長は命令を正式決定した14日の定例会合で、追加検査について「核防護が絡むからといって全て潜らず、できるだけ透明性を確保してほしい」と東電、検査チームの双方に求めた。[br][br] 命令書を受け取った東電の文挟誠一副社長は取材に応じ「命令は非常に重い。もう一度、福島第1原発事故の教訓と反省に立ち返り安全文化を確立したい」と話した。[br][br] 規制委や東電によると、柏崎刈羽原発では昨年3月以降、計15カ所でテロ目的などの侵入を検知する設備が故障し、代替措置も不十分だったことが、今年2月の規制委の検査で判明した。同1月には、所員が同僚のIDカードを不正に使って中央制御室に入っていたことも発覚した。[br][br] 規制委は同3月、防護不備の安全重要度を4段階で最悪レベルの「赤」と評価していた。 東京電力柏崎刈羽原発に事実上の運転禁止命令を出し、記者会見する原子力規制委の更田豊志委員長=14日午後、東京都港区