276人犠牲、被災地祈り/熊本地震5年

 熊本県益城町内の複合施設で献花する女性=14日午前
 熊本県益城町内の複合施設で献花する女性=14日午前
熊本、大分両県で計276人が犠牲となった2016年4月の熊本地震は14日、最初の激震「前震」から5年を迎え、熊本県庁で追悼式が開かれた。熊本では今なお418人(3月末時点)が仮設住宅で暮らす。インフラの復興が進み、多くの人は再建した自宅や災.....
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 熊本、大分両県で計276人が犠牲となった2016年4月の熊本地震は14日、最初の激震「前震」から5年を迎え、熊本県庁で追悼式が開かれた。熊本では今なお418人(3月末時点)が仮設住宅で暮らす。インフラの復興が進み、多くの人は再建した自宅や災害公営住宅に移った。一方で被災した高齢者らの孤立を防ぎ、生活支援や見守りをどう続けていくかが課題となっている。[br][br] 追悼式では、遺族を代表し、父親=当時(83)=を亡くした嘉島町の冨岡謙蔵さん(58)が「あの日の悲しみの記憶は決して消えない。多くの方の優しさと支えがあり、私たち家族の今がある」と感謝を述べた。[br][br] 式典は新型コロナウイルス感染防止のため、昨年に引き続き参列者を制限。遺族や蒲島郁夫知事ら35人ほどが黙とうした。蒲島氏は式辞で「最後の一人が再建を果たすまで支援を続ける。経験を語り継ぎ、国内外の防災、減災につなげることも重要な責務だ」と述べた。[br][br] 16年4月14日夜の前震、同16日未明の「本震」と、観測史上初めて最大震度7を2回記録した益城町では献花台が設置された。[br][br] 地震では、両県で住宅計約4万3千棟が全半壊し、仮設住宅に住む人は一時4万7千人を超えた。JR豊肥線の肥後大津―阿蘇間が昨年8月に復旧、崩落した阿蘇大橋も架け替えられ、3月に開通。熊本城は「復興のシンボル」となった天守閣の修復が終わり、26日から内部公開が始まる。 熊本県益城町内の複合施設で献花する女性=14日午前