【公選法違反事件】河井元法相、熱弁に涙も 現金「仲間つくるため」

 被告人質問での河井克行元法相の主な発言
 被告人質問での河井克行元法相の主な発言
2019年の参院選広島選挙区を巡り、公選法違反罪に問われた元法相の前衆院議員河井克行被告(58)が東京地裁の公判で無罪主張を覆し、買収を認めた。謝罪して政界引退を表明したが、地元議員らに現金を配ったのは「広島政界での孤立を解消し、仲間をつく.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 2019年の参院選広島選挙区を巡り、公選法違反罪に問われた元法相の前衆院議員河井克行被告(58)が東京地裁の公判で無罪主張を覆し、買収を認めた。謝罪して政界引退を表明したが、地元議員らに現金を配ったのは「広島政界での孤立を解消し、仲間をつくるため」とし、集票が主な目的ではなかったと強調した。時に涙を見せながら熱弁した計8日間の被告人質問を振り返った。[br][br] ▽妻[br] 「拘置所の独房で自問自答した。妻の当選を得たい気持ちがなかったとは言えない」[br][br] 元法相は保釈後の3月23日、47回目の公判で告白した。妻の案里前参院議員(47)=有罪確定=の当選を目指し、地元議員ら100人に現金を渡したとする起訴内容のうち90人分は買収に当たるとした。議員らが次々と違法性を証言する中、最後は旧知の神父に諭されたという。[br][br] 動機に挙げたのは「自身の政治的思惑」だった。地元選出の岸田文雄・前自民党政調会長が率いる有力派閥「宏池会」に属さず、疎外感があったと語った。妻の出馬を契機に地元議員らを回り、「仲間づくり」や「自民党広島県連の会長就任の布石」として現金を配ったと説明。「妻をだしにした」と言葉を詰まらせた。[br][br] ▽自賛[br] 夫妻が買収を強く認識していたとする検察側への反論も目立った。押収されたリストなどには、政治家名や金額のほか、それぞれ夫妻の呼び名とみられる記載もあった。夫妻の共謀を裏付ける物証とされるが、元法相はリストの作成を認める一方「誰に渡すのか、私が頭の体操をしたメモだ。案里に見せたことはない」と主張し、真っ向から否定した。[br][br] 自民党本部から夫妻側に投入された1億5千万円が現金供与の原資になったとの疑念には、党機関紙の発行や陣営の人件費に充てたと説明し「一円たりとも買収に使っていない」と強調した。[br][br] 弁護側の質問に「政治家としての遺言をきっちり述べた」と自賛した元法相。最終日の今月8日、検事から「当初から認めるべきだった」と指摘されると「丁寧に私の話をくみ取ってくれる取り調べではなかった。買収だけ認定される恐れを強く抱いた」と弁解した。[br][br] 30日に検察側の論告求刑、5月18日に弁護側の最終弁論があり、判決は6月以降に言い渡される見通しだ。 被告人質問での河井克行元法相の主な発言