【ワクチン高齢者接種】供給第1弾の5万人分、どう使う 「施設入所者を最優先」のケース多く

 自治体の取り組み
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12日から始まった高齢者向けの新型コロナワクチン接種は、第1弾の供給量が全対象者約3600万人の0・1%に当たる約5万人分しかない。配分が限られる中、実際の接種を担う市町村は、いかに有効に活用するか工夫している。 重症化やクラスター(感染者.....
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 12日から始まった高齢者向けの新型コロナワクチン接種は、第1弾の供給量が全対象者約3600万人の0・1%に当たる約5万人分しかない。配分が限られる中、実際の接種を担う市町村は、いかに有効に活用するか工夫している。[br][br] 重症化やクラスター(感染者集団)発生のリスクを考慮し、高齢者施設の入所者を最優先にするケースが全国的に多い。[br][br] 厚生労働省によると、2人以上の集団感染が起きた高齢者福祉施設は1198件(5日現在)あり、全体の2割を占める。重症化率は30代を1とした場合、60代は25倍、70代は47倍、80代は71倍になっている。[br][br] 青森市は12日、介護老人保健施設「すずかけの里」で始めた。常勤医師がいて、副反応の対応などを「普段の医療ケアの延長線上でできる」(小野寺晃彦市長)からだ。[br][br] 入所する木村みきゑさん(88)は「打ってもらって安心した」と話し、施設長の村上晶子医師は「自分で症状を訴えることができない高齢者もいるので、しっかり観察しないといけない」と気を引き締めた。[br][br] 年齢で線引きした自治体もある。大津市は地元医師会の意見を踏まえ、重症化リスクが高い85歳以上とした。一方、石川県小松市はまず65~69歳に絞り、17日から集団接種する。「これよりも高齢の人は、持病などを把握しているかかりつけ医で個別に受けた方がいい」と判断した。[br][br] 国は6月末までに高齢者分のワクチンを配り終える方針で、全国の自治体へ豊富に届くのは5月からになる見通しだ。[br][br] 広島市は今回の第1弾を、本格化を前にした「トライアル(試行)」と位置付ける。かかりつけ医などによる個別接種と、ショッピングセンターや小学校などでの集団接種に分け、16日から実施する計画だ。担当者は「予約システムや接種履歴の管理などの課題を洗い出したい」とする。[br][br] 離島を最初に持ってきたのは山口県周南市。人口約200人の大津島で17日に集団接種する。島は常駐の医師がいないため、市中心部の医療体制に余裕があるうちに済ませることにした。国は人口千人以下の自治体や離島について、高齢者に限らず同時に接種することを認めており、大津島では、希望した16歳以上の住民を含めて約150人が受ける予定だ。[br][br] 和歌山市は「接種の機会が公平になるように」と、65歳以上の全員を対象とした。ただ、会場となる医療機関に予約が殺到し、4月実施予定の約1500人分がすぐに埋まった。市関係者は「早く安定的に供給されるようになってほしい」と話した。 自治体の取り組み