女性天皇賛否割れ、女系拡大には反対慎重多数 有識者会議初の意見聴取

 首相官邸で開かれた、安定的な皇位継承策を議論する有識者会議の第2回会合=8日午後
 首相官邸で開かれた、安定的な皇位継承策を議論する有識者会議の第2回会合=8日午後
政府は8日、安定的な皇位継承策を議論する有識者会議(座長・清家篤前慶応義塾長)の第2回会合を首相官邸で開いた。皇室制度や歴史の専門家5人を呼んで初めての意見聴取を実施。男系男子に限定している皇位継承資格を女系に拡大する是非について反対か慎重.....
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 政府は8日、安定的な皇位継承策を議論する有識者会議(座長・清家篤前慶応義塾長)の第2回会合を首相官邸で開いた。皇室制度や歴史の専門家5人を呼んで初めての意見聴取を実施。男系男子に限定している皇位継承資格を女系に拡大する是非について反対か慎重な意見が目立つ一方、女性天皇については賛否が割れた。[br][br] ジャーナリストの岩井克己氏は、女性皇族「内親王」が結婚後も皇室に残るなどして「潜在的な継承候補者として関わりを持つのはどうか」と提起した。[br][br] 慶応大の笠原英彦教授(日本政治史)は皇位継承資格について「男系女子まで拡大すべきだ」と主張。財政負担が増えすぎないよう「内親王に限り認めるのが適当」と語った。理由を「憲法がうたう男女平等にもかない、国民に分かりやすい」と説明。女系への拡大は見送るべきだとした。[br][br] ジャーナリストの桜井よしこ氏は女系天皇に関し「日本の皇室を根本から変えてしまうことにつながる」と反対。女性天皇は「女系容認論につながる可能性があり、極めて慎重であるべきだ」とした。[br][br] 皇学館大の新田均教授(神道学)は女系・女性天皇ともに「皇統の断絶となるため不可」と訴えた。[br][br] 麗沢大の八木秀次教授(憲法学)は女系について「天皇制廃絶への道だ」と反対。女性天皇も認めないとした。[br][br] 桜井、新田、八木各氏は男系維持策として有力視される旧宮家(旧皇族)の男系男子子孫の養子縁組に賛成した。[br][br] 女性皇族が結婚後も皇室に残る「女性宮家」創設を巡っては、桜井氏が「女性宮家をつくって女性皇族と民間男性が結婚すれば、その男性は皇族になる。今そのような事例が適用されるかもしれない女性皇族の方がいらっしゃる」と指摘。[br][br] その上で「今まで皇室と全く関係なかった男性が皇族になるならば、60~70年前まで皇室の一員だった方が皇室に戻るのは何の問題もない」と主張。秋篠宮家の長女眞子さまと婚約が内定している小室圭さんを念頭に、旧宮家の男系男子子孫の皇籍取得の妥当性を強調した。[br][br] 有識者会議は今後もヒアリングを継続。最終的に計20人程度からの聴取を想定している。 首相官邸で開かれた、安定的な皇位継承策を議論する有識者会議の第2回会合=8日午後