スルメイカ、今季も不漁の見通し 日本海側では中国漁船の影響甚大

スルメイカの資源状況などを説明する桜井泰憲所長=6日、八戸市水産会館
スルメイカの資源状況などを説明する桜井泰憲所長=6日、八戸市水産会館
青森県水産振興会(会長・吉田満深浦町長)は6日、八戸市水産会館でスルメイカの今後の動向をテーマとする研修会を開いた。講師を務めた函館頭足類科学研究所の桜井泰憲所長(北海道大名誉教授)は、今季も不漁が続く見通しを提示。特に、日本海側の漁は中国.....
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 青森県水産振興会(会長・吉田満深浦町長)は6日、八戸市水産会館でスルメイカの今後の動向をテーマとする研修会を開いた。講師を務めた函館頭足類科学研究所の桜井泰憲所長(北海道大名誉教授)は、今季も不漁が続く見通しを提示。特に、日本海側の漁は中国の漁船による過剰漁獲が甚大な影響を与えているとした。[br][br] 講演で桜井所長は、水産庁の調査を元に日本周辺での産卵親イカの数量が近年は9万トン程度と推定され、高水準だった1990~2000年代の107・5万トンを大きく下回っていると指摘した。[br][br] このうち日本海側の漁について、中国船の漁獲量が19年に15万トン、20年はコロナの影響で5万トンと推定、いずれも日本船や韓国船を上回っていると述べた。さらに、15年以降は産卵環境の好転にもかかわらず資源量と親魚量が減少しているとし、「中国船の過剰漁獲の影響を無視できない状況だ」と強調した。[br][br] 一方、太平洋側については、水温など環境変化の影響が大きいとしながらも「若干ながら改善の兆しもある」と説明。また、水温が高めに推移する近年の海況を踏まえ、22年以降も1~2月に八戸沖から三沢沖の近海でスルメイカ漁が続く可能性があると語った。[br][br] 研修会は同会が毎年開催していたが、昨年は新型コロナウイルスのため実施せず、今回が2年ぶり。5月から漁期が始まる中型イカ釣り船の関係者ら約70人が出席し、研さんを積んだ。スルメイカの資源状況などを説明する桜井泰憲所長=6日、八戸市水産会館