野生イノシシの豚熱3千頭 24都府県、農水省拡大警戒

 豚熱の発生状況
 豚熱の発生状況
豚やイノシシの家畜伝染病、豚熱(CSF)への感染が確認された野生イノシシが、2018年9月から2年半の間に24都府県で計3238頭見つかったことが農林水産省への取材で3日、分かった。イノシシが運ぶウイルスは車や野生動物の出入りを介して飼育豚.....
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 豚やイノシシの家畜伝染病、豚熱(CSF)への感染が確認された野生イノシシが、2018年9月から2年半の間に24都府県で計3238頭見つかったことが農林水産省への取材で3日、分かった。イノシシが運ぶウイルスは車や野生動物の出入りを介して飼育豚に感染する可能性がある。農水省は陽性数の増加傾向に警戒を強め、野生動物の侵入防止など衛生管理の徹底を求めている。[br][br] 豚熱は18年9月に国内では26年ぶりに岐阜県の養豚場で確認されて以降、昨年12月に山形県、今年1月に和歌山県、3月末には奈良県で見つかるなど12県の養豚場で発生。拡大阻止へ野生イノシシ対策が重要となる。[br][br] 農水省は自治体にイノシシの捕獲頭数を増やし、検査体制を強化するよう要請。捕獲されたり、死んで発見されたりしたイノシシの遺伝子検査の結果を集計している。[br][br] 3月17日時点で陽性率は大阪府の28・0%、長野県の23・6%、岐阜県の22・7%の順に高かった。ただ検査実施数に差があり、大阪は25頭のうち7頭、長野は1114頭のうち263頭、岐阜は5331頭のうち1209頭が陽性だった。一方、中四国、九州、沖縄では陽性が確認されていないものの、検査数が計581頭にとどまる。[br][br] 養豚場で豚熱が起きた自治体ほど検査に積極的な傾向がある。農水省の担当者は、捕獲頭数が増加しているため陽性数も伸びており、豚熱を早く見つけるためにも検査数を増やす必要があると説明。「国内への侵入が警戒されるアフリカ豚熱(ASF)の迅速な発見にもつながる」と話す。[br][br] イノシシは5、6月ごろに出産し、7~9月ごろに子どもを連れ、餌を求めて活発に動き回るという。農水省はワクチン入りの餌を定期的にまくことや養豚場に出入りする車両の消毒、侵入を防ぐ柵・ネットの設置を自治体に呼び掛けている。 豚熱の発生状況