驚異的回復で五輪争いへ 完全復活目指す池江

 競泳の東京都オープンで女子50メートルバタフライを25秒77で制した池江璃花子=2月、東京辰巳国際水泳場
 競泳の東京都オープンで女子50メートルバタフライを25秒77で制した池江璃花子=2月、東京辰巳国際水泳場
競泳女子で白血病からの完全復活を目指す20歳の池江璃花子(ルネサンス)は、東京五輪代表選考会を兼ねて4月3日に開幕する日本選手権(東京アクアティクスセンター)で4種目に出場する。プールでの練習を再開して1年余り。目標は2024年パリ五輪だが.....
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 競泳女子で白血病からの完全復活を目指す20歳の池江璃花子(ルネサンス)は、東京五輪代表選考会を兼ねて4月3日に開幕する日本選手権(東京アクアティクスセンター)で4種目に出場する。プールでの練習を再開して1年余り。目標は2024年パリ五輪だが、驚異的な回復で地元五輪代表を争うレベルまで戻ってきた。[br][br] 「第二の水泳人生の始まりかな」。約1年7カ月ぶりの実戦となった昨年8月の東京都特別大会で50メートル自由形に出場し、感慨深げに話した。闘病中に一時は15キロ以上も体重が落ちて体つきが細くなり「前と違う自分を見せるのが恥ずかしかった」という。筋力が必要なスタートで出遅れ、26秒32。自身の日本記録より2秒11も遅かった。[br][br] しかし「食事管理を重視し、体重を戻すことにフォーカスした」と、3食に加えて補食も取った冬場を経て調子をぐんと上げた。2月のジャパン・オープンはトップ選手と競った50メートル自由形で24秒91の2位に。その2週間後、東京都オープンの50メートルバタフライで復帰後初優勝した。体重は昨夏比で7キロ増。「ここまで早く戻ってこられたのは想定外」と言う。[br][br] 技術的には水の抵抗を受けにくい、水面を滑っていくような泳ぎが健在。日大文理学部体育学科の野口智博教授は「レースで、ストロークの正確さを損なわずに最後までいける。高度な技術の再現性が高い」とうなる。[br][br] 懸念されるのは休養の影響が出やすい体力面だ。日本選手権の五輪種目はいずれも2日間で予選、準決勝、決勝と3回泳ぐ。池江は50メートルと100メートルの自由形、100メートルバタフライ、非五輪種目の50メートルバタフライに出場登録しており、タフな戦いが予想される。[br][br] 代表入りの可能性が最も高いのは100メートル自由形で選考する400メートルリレーとみられる。リレーの派遣標準記録54秒42を突破することが目安となるが、野口教授は「ハードルはだいぶ高い。準決勝をいっぱいいっぱいでいかないと決勝に残れない状況だと厳しい」と指摘した。本人も「五輪、五輪というより今の自分の泳ぎや、ここまで戻ってきて結果を出し始めていることをよく見てほしい」と強調し、地に足を着けて決戦へ臨む。 競泳の東京都オープンで女子50メートルバタフライを25秒77で制した池江璃花子=2月、東京辰巳国際水泳場