福島原発1号機運転開始から50年 デブリ取り出し「最も難物」

 廃炉作業が進む東京電力福島第1原発1号機=24日、福島県大熊町
 廃炉作業が進む東京電力福島第1原発1号機=24日、福島県大熊町
2011年に炉心溶融事故を起こし、廃炉作業中の東京電力福島第1原発1号機が26日、営業運転を始めてから50年となった。今後、溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しなどが控えるが、相次ぐトラブルや高い放射線に阻まれ準備は難航。関係者からは「炉心.....
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 2011年に炉心溶融事故を起こし、廃炉作業中の東京電力福島第1原発1号機が26日、営業運転を始めてから50年となった。今後、溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しなどが控えるが、相次ぐトラブルや高い放射線に阻まれ準備は難航。関係者からは「炉心溶融した1~3号機で最も難物だ」との声も上がる。[br][br] 1号機は出力46万キロワットの沸騰水型軽水炉。東電初の原発として67年に着工し、71年3月26日に営業運転を始めた。02年、定期検査でデータを不正操作したとして、経済産業省から1年間の運転停止処分を受けた。事故直前の11年2月には、当時の経産省原子力安全・保安院から10年間の運転延長が認められていた。[br][br] 第1原発では7、8号機の増設も計画されたが事故で中止に。1~4号機は12年4月、5、6号機は14年1月、電気事業法に基づき廃止され、発電設備ではなくなった。[br][br] デブリの取り出しは、来年にも2号機で始める予定だ。1号機では原子炉格納容器内に溶け落ちたとみられるデブリを確認できておらず、準備は遅れている。東電は容器内の調査を計画しているが、ロボットを投入するルートの構築が順調に進んでいない。 経産省幹部は「内部の状況がほとんど分かっていないことが一番のネック。取り出しの難易度は非常に高い」と指摘する。[br][br] 建屋内の使用済み核燃料プールには燃料392体が残っている。プールがある建屋最上階には水素爆発によるがれきがあり、撤去時に放射性物質の飛散を防ぐ大型カバーを設置する。当初は17年度に燃料の取り出しを始める計画だったが、現在では27~28年度に大きく延期されている。[br][br] 東電福島第1廃炉推進カンパニーの小野明最高責任者は25日の記者会見で「1号機を造り上げた時の謙虚さ、真摯しんしさをこの何十年で失ってしまったのではないかと思っている。廃炉を安全にやり遂げるために、謙虚さをもう一回持たなければならない」と述べた。 廃炉作業が進む東京電力福島第1原発1号機=24日、福島県大熊町