【河井元法相辞職】政権、千葉県知事選惨敗に続く打撃

 河井元法相を巡る与野党幹部らの発言
 河井元法相を巡る与野党幹部らの発言
河井克行元法相(自民党離党)が選挙買収を一転して認め、衆院議員を辞職すると表明した。妻・案里前参院議員の有罪確定などで追い込まれ、方針転換した形。自民にとって、推薦候補が100万票以上の差をつけられた千葉県知事選の惨敗に続く打撃となるのは必.....
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 河井克行元法相(自民党離党)が選挙買収を一転して認め、衆院議員を辞職すると表明した。妻・案里前参院議員の有罪確定などで追い込まれ、方針転換した形。自民にとって、推薦候補が100万票以上の差をつけられた千葉県知事選の惨敗に続く打撃となるのは必至だ。4月25日には事件の舞台となった参院広島選挙区再選挙などが控えており、影響を懸念する声が漏れる。野党は辞職は遅きに失したと批判を強めた。[br][br] ▽逃げ道[br][br] 「多くの皆さまにご迷惑をお掛けし、国政選挙の信頼を損なうことをしてしまった。深く反省し、おわび申し上げる」[br][br] 23日の東京地裁。元法相はこれまでの無罪主張を一変させ、地元県議らへの買収を認めた。「自民党に対する信頼も傷つけた。弁解の余地は全くない」と続けた。その後、元法相は「衆院議員を辞する」と語った。[br][br] 昨年8月に始まった公判で元法相は無実を訴えてきた。だが先行した案里前議員の公判で、地元広島の県議らが「違法なカネ」との認識を証言。元法相から現金を受け取ったとされる100人中94人が買収を認める結果だった。既に逃げ道は断たれていた。自民の閣僚経験者は「有罪になりそうだから、減刑狙いに切り替えた」と推測した。[br][br] 政権内に元法相を擁護する声はない。公明党の山口那津男代表は記者団に「辞職の表明は当然だ。大きな政治不信を招いた」と切り捨てた。[br][br] 21日の千葉知事選で推薦候補が3倍以上の大差で敗北した自民。地元国会議員の支援が割れたことも一因で、次期衆院選に不安を残した。「政治とカネ」問題が相次いだ政権にとって、元法相の辞職も痛手となるのは間違いない。[br][br] 菅義偉首相に近い佐藤勉総務会長は記者会見で、党への影響を問われ「全くないとは言えない」と否定しなかった。幹部は「プラスにならない」と身構えた。[br][br] ▽蒸し返し[br][br] 4月25日の衆参3選挙を巡り、自民は衆院北海道2区補欠選挙で不戦敗を決めるなど出はなから苦しい展開だ。[br][br] 地盤が比較的厚い広島での1勝に期待を寄せるが、事件に巻き込まれた県議らには「厭戦(えんせん)ムード」(選対筋)が広がり動きは鈍い。元法相の地元・衆院広島3区の与党候補を公明に譲ったしこりから、自公協力も十分機能するか不透明だ。広島選出のベテランは「告示が4月8日に迫るのに、また選挙買収が蒸し返される」と頭を抱える。[br][br] 野党は一斉に追及姿勢を強めた。立憲民主党の安住淳国対委員長は党会合で「全く説明責任を果たさないまま、議場を去るのは容認できない」と反発。自民本部が投入した資金が買収原資になったとして、首相を厳しくただすと予告した。共産党の小池晃書記局長は会見で「安倍晋三前首相、菅首相の関わりはどうだったか国会で説明する必要がある」と強調した。 河井元法相を巡る与野党幹部らの発言