一部の十和田市議が市職員に不当な圧力をかけた疑いがあるとして、市議会が設置した「パワーハラスメント調査特別委員会」(百条委員会)の4回目の会合が23日、市役所で開かれた。当事者の堰野端展雄議員と圧力をかけられた疑いがある政策財政課長が出席し、双方とも圧力はなかったと疑惑を否定した。一方、当時副市長だった西村雅博氏は「不当行為はあったと認識している」と強調した。[br][br] 疑惑は庁内各部長への2021年度当初予算案の内示の際、市議会が導入するタブレット端末に関する予算の当初要求から、付属のタッチペン分(約7万円)が外されていた。この情報を得た堰野端議員が同課長に再考を求め、タッチペンの予算が復活した―とされる。同議員は当時、スマート議会推進チームのリーダーだった。[br][br] この日は堰野端議員と同課長のほか、同課長の上司、同議員に内示の情報を提供したと指摘されている議会事務局長、予算策定の責任者だった西村氏、小山田久市長が証人として出席。[br][br] 同課長はタッチペンの予算を復活させた経緯について「当初はタブレットで書類を見るだけとの判断から削除したが、堰野端議員から書き込みもすると説明を受け、必要性を理解した」と述べた。[br][br] 一方、予算情報を議員に伝えたことが市条例に違反すると指摘されている議会事務局長は「タブレット導入に向けて検討してきた内容を踏まえて事務局側から予算要求しており、査定の状況をリーダー(堰野端議員)に知らせるべきものと考えた」と説明。同議員は「議会事務局から相談を受け、課長に説明しただけだ」と証言した。[br][br] 小山田市長は、当時副市長だった西村氏から一切報告を受けていない―とした。[br][br] 委員会はこの日で当事者の証言を得たが、調査の継続を決定。次回は30日に会合を開き、委員会設立を動議した戸来伝議員から不当圧力の情報の出どころなどを聞く方針。