【A棟改善計画提出】稼働継続は確実も実効性に課題残す

荷さばき施設A棟のサバの水揚げの様子=2020年10月20日、八戸市第3魚市場
荷さばき施設A棟のサバの水揚げの様子=2020年10月20日、八戸市第3魚市場
大中型巻き網船が対象の八戸市第3魚市場荷さばき施設A棟の「第2回改善計画」(2021~23年度)について、市はこれまで水産庁や青森県と相談しながら準備を進めてきた。22日には同庁から市に対し、改善計画の提出を許可する通知があり、小林眞市長も.....
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 大中型巻き網船が対象の八戸市第3魚市場荷さばき施設A棟の「第2回改善計画」(2021~23年度)について、市はこれまで水産庁や青森県と相談しながら準備を進めてきた。22日には同庁から市に対し、改善計画の提出を許可する通知があり、小林眞市長も同日の会見で「(計画内容を)認めてもらえると確信している」と自信をのぞかせた。今後、国側が計画を否定する可能性は低く、A棟の稼働継続はほぼ確実な状況だが、計画の実効性については課題が山積している。[br][br] 計画では目標の水揚げ数量を2万970トン(サバ1万170トン、イワシ1万800トン)と掲げた。月別の利用は7~9月をイワシ、10、11月をサバとイワシの混獲、10~12月をサバと設定。24年度には事後評価を実施するとしている。[br][br] ある漁業関係者はサバの水揚げが本格化するのが年々、遅れている現状を挙げ、「以前のように漁期が長ければ計画達成の可能性はあるが、近年の“短期決戦”だと難しいのでは」と指摘。イワシについても、夏場に北海道東で取れたイワシをA棟で水揚げする船があるかどうかは分からないという。[br][br] ハマでは、A棟で稼働が低迷する最大の原因は浜値の安さとされている。20年度、巻き網のサバで10キロ当たりの平均単価はA棟取り扱い分が1337円と、市第1魚市場を含めた全体の1435円を下回った。[br][br] 漁業関係者の間では、A棟でフィッシュポンプを使って魚を吸い上げるなどした際、魚体にダメージを与えるとの見方が根強い。一方、市側は、たも網を使う第1魚市場での水揚げと遜色ないと主張する。[br][br] 新計画では、A棟のサバを使った加工品の開発支援などを通じ付加価値の向上を図る―と明記。商品として評価が高まり金額上昇につながることを期待する。[br][br] 県は26日までに国へ計画を提出する方針で、月末までに国の判断が示される見通し。県漁港漁場整備課の竹内保志課長は取材に「計画は近年のサバやイワシの漁模様に基づく内容。表現や数字の正確さを精査し国に提出したい」と話した。荷さばき施設A棟のサバの水揚げの様子=2020年10月20日、八戸市第3魚市場