ユーロスター経営危機 コロナ禍、移動制限が直撃

 英国と欧州大陸を結ぶ高速鉄道ユーロスターの車両(ユーロスター運営会社提供・共同)
 英国と欧州大陸を結ぶ高速鉄道ユーロスターの車両(ユーロスター運営会社提供・共同)
【ロンドン共同】英国と欧州大陸を結ぶ高速鉄道ユーロスターの運営会社が経営危機に直面している。新型コロナウイルス感染拡大を受けた移動制限で利用客が急減。各国政府からの支援獲得が難航しているためだ。英国と欧州連合(EU)諸国の間の旅行や出張に欠.....
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 【ロンドン共同】英国と欧州大陸を結ぶ高速鉄道ユーロスターの運営会社が経営危機に直面している。新型コロナウイルス感染拡大を受けた移動制限で利用客が急減。各国政府からの支援獲得が難航しているためだ。英国と欧州連合(EU)諸国の間の旅行や出張に欠かせない交通手段で、運行に支障が出れば、欧州の社会や経済に深刻な影響を与えかねない。[br][br] 5日午後、ロンドン中心部のセントパンクラス駅。新型コロナ流行前はユーロスターなどの旅行客であふれかえっていたが、この日は少数の駅員らがいるのみだった。[br][br] ユーロスターはロンドンとパリやブリュッセルなどを往復。新型コロナ流行で運行の大幅縮小を余儀なくされ、現在は1日に計4本のみだ。利用者数も「低水準」(広報担当者)にとどまる。これまでに新型コロナ危機前の95%減になったとも報じられた。[br][br] 運営会社はすでにフランス国鉄などの株主から2億ユーロ(約260億円)超の支援を受けたが、資金不足は依然深刻だ。早ければ6月にも底を突くとも伝わる。運営会社首脳は「大惨事になることはあり得る」と危機感を表明している。[br][br] だが英政府は支援に後ろ向きだ。英国はかつて運営会社の40%の株式を保有していたが、既に売却済み。シャップス運輸相は「この会社(ユーロスター運営会社)を所有しているわけではない」として、フランス政府に救済の責任があると主張した。[br][br] 一方、フランス側は英国と共同で経営を支えたいとの意向を持っているもようだ。フランス国鉄首脳は英紙に対し「4月までに結論を得なければならない」と焦りをあらわにした。 英国と欧州大陸を結ぶ高速鉄道ユーロスターの車両(ユーロスター運営会社提供・共同)