「追い込まれ」警戒、与党に広がる波紋 首相の4月解散否定発言

 衆院解散を巡る政権内の主な発言
 衆院解散を巡る政権内の主な発言
菅義偉首相による4月上旬の訪米後の衆院解散否定発言が、与党内で波紋を広げている。早期の解散・総選挙に慎重な公明党は歓迎するものの、衆院議員の任期満了を10月21日に控え、「追い込まれ解散」を警戒する自民党内には戸惑いもある。自公とも首相の真.....
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 菅義偉首相による4月上旬の訪米後の衆院解散否定発言が、与党内で波紋を広げている。早期の解散・総選挙に慎重な公明党は歓迎するものの、衆院議員の任期満了を10月21日に控え、「追い込まれ解散」を警戒する自民党内には戸惑いもある。自公とも首相の真意を読めず、春解散や7月4日の東京都議選との同日実施、東京五輪・パラリンピック後の秋解散といった観測が飛び交う。[br][br] 首相は18日の記者会見で、自民党の下村博文政調会長が言及した訪米後の解散の可能性に関し「そうしたことは全く考えていない」と明言。新型コロナウイルスの感染収束に最優先で取り組む考えを改めて示した。[br][br] 重視する都議選との近接を嫌う公明党は早速反応した。石井啓一幹事長は19日の会見で「首相会見をそのまま受け止める」と強調。下村氏が触れた都議選との同日実施を巡っては「他の方の発言に反応するのは無用だ」と突き放した。[br][br] 自民党内ではさまざまな思惑が交錯する。[br][br] 執行部の一人は、都議選との接近や同日投開票は公明党の組織力を分散させ、自公の選挙協力にマイナスだと指摘。「同日選はあり得ない」と話す。別の幹部は「今はコロナ対応が一番大切。春の解散は無理だ」とし、感染状況やワクチン接種の進捗(しんちょく)を見定めながら、五輪後の秋解散を模索すべきだとの立場を取る。[br][br] 一方、閣僚経験者は任期満了が迫る中で解散して大敗、野党に転落した2009年衆院選を念頭に「追い込まれ解散だけは避けるべきで、春の解散も選択肢だ」と訴える。ベテラン議員は「解散は首相の専権事項。首相は決断する最後の瞬間まで、誰にも本心を明かすはずがなく、臆測はやまないだろう」と語った。 衆院解散を巡る政権内の主な発言