公益財団法人「核物質管理センター」(東京)によると、16日午前10時40分ごろ、使用済み核燃料再処理工場(六ケ所村)内の六ケ所保障措置センターで火災が発生した。消火に当たった職員2人の顔などに放射性物質が付着。物質はプルトニウムの可能性もある。ただ、2人に内部被ばくはなく、周辺環境への影響もない。出火原因や付着した物質は今後調べる。[br][br] 同法人によると、職員2人がグローブボックス内の塩化ビニール製廃棄物容器から煙が上がっているのを発見。別の1人が加わり、午前11時50分ごろに初期消火を完了した。[br][br] その後、職員1人の顔や別の1人の帽子から1平方センチ当たり最大0・1ベクレルの汚染が見つかった。床面の汚染もあった。ボックス内のチューブにはプルトニウム約10ミリグラムとウラン約100ミリグラムが入っていた。[br][br] 消火中は鼻と口を覆う半面マスクを着用し、手順に問題はなかったという。内部は負圧で物質は外へ出ない構造だが、消火器をボックスの手袋部分に刺してガスを注入した際に漏れ出た可能性がある。[br][br] 2人は除染を受け、鼻の粘膜を調べた結果、内部被ばくがないと確認された。病院は受診していない。プルトニウムは吸引した場合の毒性が強いが、皮膚に短時間付着しただけでは健康に影響はないという。[br][br] 六ケ所のセンターは核不拡散を目的に、事業者の日本原燃から提出される試料の放射性物質濃度などを分析している。