目標2万1千トンに下方修正 八戸市、荷さばき施設A棟利用方針

荷さばき施設A棟で行われたサバの水揚げ=2020年12月22日、八戸市第3魚市場
荷さばき施設A棟で行われたサバの水揚げ=2020年12月22日、八戸市第3魚市場
八戸市は9日、市第3魚市場荷さばき施設A棟の2021~23年度の利用向上に向けた方針を発表した。メインのサバに続きイワシも対象とし、年間の水揚げ目標を2万千トンと設定。従来の3万1200トンから下方修正したが、過去の水揚げは最高でも17年度.....
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 八戸市は9日、市第3魚市場荷さばき施設A棟の2021~23年度の利用向上に向けた方針を発表した。メインのサバに続きイワシも対象とし、年間の水揚げ目標を2万千トンと設定。従来の3万1200トンから下方修正したが、過去の水揚げは最高でも17年度の2305トンで、実績との差はなお大きい。市の担当者は「達成を目指す。未達は想定していない」と強調した。[br][br] 市議会議員全員協議会で小林眞市長が説明した。目標の内訳はサバ1万200トンとイワシ1万800トン。市によると、近年の漁模様とA棟の処理能力などを勘案し、設定したという。[br][br] 具体的な取り組みでは、サバとイワシの混獲、イワシ単体の水揚げにも対応。魚体を運ぶベルトコンベヤー上にカメラを設置し、卸売業者らに向け状況を配信する。また、小型巻き網船への対応として、要請に応じクレーン車を手配し労力軽減と利便性向上を図る。[br][br] 市は昨年7月、17~19年度の稼働実績などをまとめた「事後評価」を、青森県を通じ国に提出。今年1月にはイワシの試験水揚げの結果も報告した。国からの了承を得た上で、今月中に改善計画を出す構え。今回の方針は同計画のベースに当たる内容という。[br][br] 市議側は与野党会派で賛否が割れた。自民・市民クラブの坂本美洋会長は「A棟継続に賛成。稼働率を高める努力は必要」と指摘。公明党の夏坂修代表も市の方針に賛意を示した。[br][br] 一方、立憲民主党系のきずなクラブの五戸定博会長は、イワシの追加を「(目標達成の)かさ上げにすぎない」とばっさり。新緑・無所属の会の伊藤圓子代表も「A棟本来の使い方ではない」と批判した。共産党の田端文明団長は「新たな方針を出しても水揚げが増えるとは思えない」とし、即時廃止を訴えた。[br][br] この日は市水産会館で「A棟稼働率向上検討会」も開かれ、市側の担当者が地元水産業界の代表者に方針を説明した。荷さばき施設A棟で行われたサバの水揚げ=2020年12月22日、八戸市第3魚市場