【WMG】コロナ対策が成功の鍵

 2017年4月、ニュージーランド・オークランドで開催された、生涯スポーツの世界大会「ワールドマスターズゲームズ」の前回大会の様子(WMG2021関西組織委員会提供)
 2017年4月、ニュージーランド・オークランドで開催された、生涯スポーツの世界大会「ワールドマスターズゲームズ」の前回大会の様子(WMG2021関西組織委員会提供)
2022年に開催される生涯スポーツの世界大会「ワールドマスターズゲームズ(WMG)」の実施要項が1日決まった。新型コロナウイルス禍の影響で当初より1年延期となったが、実現への動きが進んだことで関係者は胸をなで下ろす。ただ参加者の約半数は50.....
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 2022年に開催される生涯スポーツの世界大会「ワールドマスターズゲームズ(WMG)」の実施要項が1日決まった。新型コロナウイルス禍の影響で当初より1年延期となったが、実現への動きが進んだことで関係者は胸をなで下ろす。ただ参加者の約半数は50歳以上で重症化リスクが高いとされる。WMGの理念には交流や観光も含まれ、成功には徹底した感染対策が欠かせない。[br][br] ▽経済効果[br] WMGは、関西の自治体や経済界が中心となってスイスに本部がある国際マスターズゲームズ協会に働き掛け、誘致に成功した。夏季五輪の翌年に開かれるのが通例で、もともとは今年5月の開催予定だった。[br][br] 国内外から選手だけでなく家族や関係者も多数訪れるため、国際交流の推進だけでなく観光面でも多大な効果が期待される。地域に及ぼす経済効果は1461億円との試算もあり、関西経済にとって歓迎の声は大きい。[br][br] ただ「今の状態では参加者が地元住民と交流したり、大会後に関西を周遊し観光を楽しんだりするという本来の理念が達成できない」。開催日程の延期を決めた昨年10月、当時組織委員会の会長だった井戸敏三(いどとしぞう)兵庫県知事は記者会見で、延期への無念さを語った。[br][br] ▽行動管理難しく[br] 22年の開催でも世界的にある程度感染が収束していることが必要となる。関西の経済団体幹部は「東京五輪・パラリンピックと違って参加者の行動管理は難しい。WMGのやり方は慎重に考えるべきだ」と話す。[br][br] 過去のWMG参加者の2割近くは重症化リスクが高い60歳以上だ。海外参加者の平均滞在は15日間以上で、ニュージーランドで開催の前回大会では約100カ国から集まった。22年の大会でも目標参加者5万人のうち海外は2万人を見込む。[br][br] さらに全国から約2万人のボランティアを募集しており、規模感や年齢層からも相当な感染症対策が求められる。開催自治体の理解と協力も必要だ。[br][br] ▽ポストコロナ模索[br] 組織委の木下博夫(きのしたひろお)事務総長は1年延期で準備期間が増えたと前向きに捉える。「アジアで初めてのWMGであり、しっかり成功に導きたい」と意気込む。感染症対策に加え、情報技術(IT)の積極的な活用にも力を入れる。[br][br] 組織委では20年7月からオンラインでの記録会を開催しているほか、大会前から参加者同士が交流できるよう100以上の言語に対応する多言語アプリの開発を開始。ポストコロナ時代の新しい国際大会の姿を模索している。 2017年4月、ニュージーランド・オークランドで開催された、生涯スポーツの世界大会「ワールドマスターズゲームズ」の前回大会の様子(WMG2021関西組織委員会提供)