天鐘(3月4日)

久しぶりに「3K」を耳にしたのは、センバツの組み合わせ抽選会。イメージが良い言葉ではない。選手を激励する高野連会長がなぜ? その心は「感謝」「感動」「希望」。なるほど、そんな使い方もできる▼世の中がバブル景気に浮かれていた頃の流行語。とかく.....
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 久しぶりに「3K」を耳にしたのは、センバツの組み合わせ抽選会。イメージが良い言葉ではない。選手を激励する高野連会長がなぜ? その心は「感謝」「感動」「希望」。なるほど、そんな使い方もできる▼世の中がバブル景気に浮かれていた頃の流行語。とかく華やかさがもてはやされ、地道で身体・精神の負担が大きい仕事は敬遠された。「キツい」「汚い」「危険」で3K。劣悪な職場環境への嘆きでもあった▼ひたすらパソコンと向き合うのも過酷である。労働問題は「帰れない」「厳しい」「給料が安い」と続き、「休暇が取れない」「薬に頼る」「化粧乗りが悪い」と無限。6K、9K、新3Kとも。働き方改革が急がれる▼3Kは天気予報にもあるという。「花粉」「強風」「乾燥」に「寒暖差」「黄砂」を加えると5K。春特有の気象を指す。いわゆる三寒四温も、短い周期で行き交う低気圧と高気圧の仕業である▼日差しの暖かみが増す。雪が消え、大地が生気を取り戻す。だが…。太陽にかかる幻想的な光環は、花粉が大量に飛散している証し。疾風(はやて)にあおられ、砂ぼこりが立つ。顔をしかめる日も少なくない▼それでも春本番が待ち遠しい。はらはらと舞う「帷子(かたびら)雪」、梢が軽やかな「木々色む」、蕾(つぼみ)がほころぶ「花信風」。数々のKが息吹を伝える。若人が躍動する「球春」もしかり。そういえば、あすは「啓蟄(けいちつ)」である。