【八戸市予算案・解説】コロナ後見据え、効果的施策を

2021年度一般会計当初予算案について会見する小林眞市長=19日、八戸市庁
2021年度一般会計当初予算案について会見する小林眞市長=19日、八戸市庁
八戸市の2021年度当初予算編成は、新型コロナウイルスの影響で市税収入が大きく落ち込む中、限られた財源をどう生かすかが例年以上に試された。さらに小林眞市長にとって4期目最後の編成であり、今期の集大成の位置付けのはずだ。しかし、事業内容を見渡.....
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 八戸市の2021年度当初予算編成は、新型コロナウイルスの影響で市税収入が大きく落ち込む中、限られた財源をどう生かすかが例年以上に試された。さらに小林眞市長にとって4期目最後の編成であり、今期の集大成の位置付けのはずだ。しかし、事業内容を見渡せば、市政を前進させる新たな仕掛けや、コロナ禍で疲弊した地域経済を力強く立て直す事業は乏しい。踏み込みが甘かったという印象は否めない。[br][br] 新型コロナウイルスの影響で地域経済が冷え込む中、事業者などを支援し、経済を回すことは市の最重要課題。厳しい財政状況の中でも結果を出さなければならない。[br][br] 経済対策では、本社機能移転支援事業やおためしサテライトオフィス誘致事業など、コロナ禍を意識した新規事業に着手するが、金額も数百万と少なく、どの程度の効果が出るのか未知数だ。[br][br] 子育て支援策も目新しさを欠く。子どもの医療費無償化の拡充は市民の要望に沿ったものだが、対象は限定的で、まだまだ拡充の余地がある。[br][br] 一方、扶助費などの義務的経費や新型コロナ対策費が増える中、将来を見据えて予算規模を例年並みの水準としたのは一定の評価ができる。20年度末に残高が過去最大となる見通しの市債発行額も抑制した。新産業団地の造成を急ぐなど、雇用創出に向けた確かな種まきも見える。[br][br] 小林市長は就任以降、中心街に相次いで公共施設を整備してきた。維持管理費は、11月に開館する新美術館分を含めると6億円を超え、今後も厳しい財政状況が予想される。[br][br] 本紙取材に「コロナの影響でどうしてもできないソフト事業もあった。収束すれば展開できる事業もあるのではないか」と展望を示した小林市長。コロナの収束を見据え、今後、いかに効果的な施策を打ち出せるかが問われている。2021年度一般会計当初予算案について会見する小林眞市長=19日、八戸市庁