八戸市予算案912億円 2年連続マイナス 

八戸市は19日、2021年度一般会計当初予算案を公表した。総額は前年度当初比6・9%減の912億円で、2年連続のマイナス。これまで歳出を膨らませてきた大型建設事業が前年度で落ち着いたことが主な要因。一方、新型コロナウイルスの影響で歳入の柱と.....
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 八戸市は19日、2021年度一般会計当初予算案を公表した。総額は前年度当初比6・9%減の912億円で、2年連続のマイナス。これまで歳出を膨らませてきた大型建設事業が前年度で落ち着いたことが主な要因。一方、新型コロナウイルスの影響で歳入の柱となる市税が落ち込むなど、財源確保が課題となる中、公債費や扶助費といった義務的経費は増加し、財政状況は厳しさを増している。[br][br] 市は東日本大震災以降、主に通常分と復興分に分けて予算を編成してきたが、20年度で「市復興計画」の期間が終了するため、21年度からは通常分だけで編成した。前年度当初予算から復興分(約66億円)を差し引いた金額と比較すると、21年度は前年度とほぼ同水準となる。[br][br] 歳入を見ると、自主財源は37・1%に当たる338億1千万円。市税は282億円で、前年度から15億円(5・1%)減少した。新型コロナにより市内の経済活動が停滞した影響とみられる。[br][br] 依存財源である地方交付税は10・5%減の157億円。国庫支出金は9・0%減の188億2538万円を見込んだ。[br][br] 市債は大型建設事業が一段落したことなどで14・6%減の87億6100万円。20年度末見込みの市債残高は1180億円で過去最高となる見通し。[br][br] 基金からは14億円を取り崩す。残高は41億円で、市が設定する指標の50億円を下回る。[br][br] 歳出は、人件費と扶助費、公債費を合わせた義務的経費が1・3%増の487億7057万円。このうち公債費は4・7%増の91億8519万円で財政の硬直化が進む。[br][br] 投資的経費は53億9252万円と62・2%減少。前年度まで予算規模を押し上げていた普通建設事業費が大幅に減少したのが影響した。その他の経費は4・1%増の370億3690万円。[br][br] 新年度の新規事業は、子ども家庭総合支援拠点の開設や新美術館オープニングイベント事業費など。[br][br] 同日の会見で小林眞市長は、21年度当初予算案の編成について「重点施策の推進に必要な予算を計上した」と強調。「新型コロナの影響を受け、引き続き厳しい財政状況が見込まれるが、市政のさらなる前進に向け着実に取り組みたい」と述べた。[br][br] 当初予算案は25日開会予定の市議会定例会に提出される。