MOX工場許可への異議、規制委棄却 原告団申し立てから10年超

2010年5月に経済産業省が事業許可を出した日本原燃のMOX(プルトニウム・ウラン混合酸化物)燃料加工工場(六ケ所村)を巡り、原子力規制委員会が、行政不服審査法に基づいて核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団(浅石紘爾代表)が申し立てた事業許可に.....
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 2010年5月に経済産業省が事業許可を出した日本原燃のMOX(プルトニウム・ウラン混合酸化物)燃料加工工場(六ケ所村)を巡り、原子力規制委員会が、行政不服審査法に基づいて核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団(浅石紘爾代表)が申し立てた事業許可に対する異議を棄却する決定を下したことが15日、分かった。規制委は、東京電力福島第1原発事故後、経産省の旧原子力安全・保安院に代わって原子力の規制行政を担っており、旧保安院の解体など紆余曲折を経て、原告団の申し立てから10年以上かかってようやく結論に達した。[br][br] 規制委が先月26日に開いた非公開の臨時会議で決定し、関連文書や議事要旨をホームページで公開した。事務局の原子力規制庁は取材に「旧保安院の判断が妥当だったかどうか、当時の体制を含めて改めて確認してきた。新しい規制基準が施行され、MOX工場の審査に想像以上の時間がかかったことも影響した」と答えた。審査期間に法令上の定めはないものの、対応が遅かったとの認識を示した。[br][br] 原燃は事業許可を受けて10年10月に着工。原発事故後に発足した規制委の下で新基準への適合性審査を受け、20年12月に工場完成の前提となる審査に合格した。一方で原告団は10年7月に異議を申し立て、同年12月に意見陳述を行っていた。[br][br] 浅石代表は「これほど長い間、休眠状態にされた例はないだろう。住民の権利を守る制度が全く役に立っていない」と批判。棄却されたことには「全く不当なものだ」と強調した。ただ今回の異議申し立てが過去の規制基準に基づくため、取り消しを求める考えはないと明らかにした。[br][br] 規制委が公表した文書によると、原告団は▽事故選定や安全の評価に過誤・欠陥がある▽地震や地質・地盤、津波などの安全評価に誤りがある―など10項目を主張。これに対し規制委は「許可に違法または不当な点はなく、申立人の主張には理由がない」と結論付けた。