天鐘(2月13日)

2000年、森喜朗政権の打倒に蜂起した「加藤の乱」。自民党宏池会の加藤紘一会長が近未来政治研究会の山崎拓会長と共に、密室で生まれた森政権の倒閣を狙ったが失敗に終わった▼「あなたは大将なんだから!」。玉砕覚悟で森首相への不信任票を投じようとす.....
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 2000年、森喜朗政権の打倒に蜂起した「加藤の乱」。自民党宏池会の加藤紘一会長が近未来政治研究会の山崎拓会長と共に、密室で生まれた森政権の倒閣を狙ったが失敗に終わった▼「あなたは大将なんだから!」。玉砕覚悟で森首相への不信任票を投じようとする加藤氏を涙ながら留(とど)める参謀達。“浪花節”ばかりで決断力のない面々を一人冷ややかに眺めていたのが菅義偉現首相だった▼伏線は脳梗塞で倒れた小渕恵三首相の病状を悟った当時の森幹事長、青木幹雄官房長官、亀井静香政調会長らがホテルに集合。病名を公表する前に「あんたしかいない」と森氏を後継に決めた“5人組”の密談だ▼自著『私の履歴書』に書いている。女性蔑視発言で東京五輪・パラリンピック組織委会長の辞任を表明したが、あろうことか組織で協議もせず事前に後継を指名してしまった。21年前に重なる“既視現象”だ▼本人に違和感はなくとも指名された川淵三郎氏には迷惑な話になった。公益財団法人の会長人事がまた密室で決まりかけたところで、菅首相はやっと往時の怒りを思い出したのか、「若い人か女性」と腰を上げた▼女性蔑視に密室政治、老害…と多様な問題が吹き出た。老害は一部で高齢者を代表したような発言は不謹慎。何が何でも五輪開催の精神論もウイルスに通用しない。見直すべき諸課題を明示してくれた森さん、ご苦労様。