天鐘(2月7日)

青森市に出向く際は車を使うことが多い。用事を済ませた後は、せっかくなので美術館や図書館を巡りたい。産直施設に立ち寄り、ご当地の旬に出会う。車窓から自然の風景、街並みの変化が感じられるのも楽しい▼先日も早めの時間に八戸市を出発。しかし中部上北.....
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 青森市に出向く際は車を使うことが多い。用事を済ませた後は、せっかくなので美術館や図書館を巡りたい。産直施設に立ち寄り、ご当地の旬に出会う。車窓から自然の風景、街並みの変化が感じられるのも楽しい▼先日も早めの時間に八戸市を出発。しかし中部上北に差し掛かった辺りから、雲行きが怪しくなってきた。農道が吹雪のため通行止めに。時折ホワイトアウトで視界が閉ざされる。己の見通しの甘さを嘆く▼ガソリンは満タンにしてある。立ち往生に巻き込まれる最悪の事態に備え、コンビニで非常用の食料を買う。ワイパーにまとわりついた氷をたたき払う。目を見開き、適度な距離を保ちつつ、前の車を追った▼路外に逸脱し、あおむけになったトラックに肝を冷やす。郵便配達のバイクに心の中で感謝する。買い物袋を手にしたお年寄りが、道なき道を歩いている。助けてあげたいが、無事に送り届ける自信がない▼結局は行きも帰りも、ライトとハザードランプを付けっぱなしのノロノロ運転。時間を要したこと以上に、体がこわばる緊張感、判断を誤ったことへの後悔で、身も心もクタクタになってしまった▼暦が春を告げたものの、いまだ冬将軍は健在。「所変われば…」を垣間見た体験だったとはいえ、不要不急が叫ばれている昨今ではないか。コロナ、そして自然災害も、大切な命を守る第一歩は行動の自制と銘じる。