【連載・八戸西初の甲子園へ】(4)練習改革

打撃練習に励む八戸西の野手陣。日々の練習では投手陣と別メニューで調整を行っている=八戸西高雨天練習場
打撃練習に励む八戸西の野手陣。日々の練習では投手陣と別メニューで調整を行っている=八戸西高雨天練習場
1月下旬の八戸西高雨天練習場。野手陣は小川貴史監督が見守る中、トス打撃などに汗を流していた。ネットを挟んで反対側では元日本ハムの中村渉コーチが視線を送る中、投手陣がシャドー投球やバランスボールを使った体幹トレーニングに余念がなかった。 同校.....
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 1月下旬の八戸西高雨天練習場。野手陣は小川貴史監督が見守る中、トス打撃などに汗を流していた。ネットを挟んで反対側では元日本ハムの中村渉コーチが視線を送る中、投手陣がシャドー投球やバランスボールを使った体幹トレーニングに余念がなかった。[br][br] 同校では基本的にポジションごとにウオーミングアップから別メニューで調整する。部員は互いの練習を横目で見ながら、真剣に自らの役割を全うしている。限られた時間の中で、一人ひとりが密度の濃い練習をするための工夫だ。公式戦が近づくとシートノックや走塁練習など合同練習も行うが、中村コーチは「普段は別の部活と言っていいほど」と笑う。[br][br] 同校の練習は平日は下校時間が午後7時と決まっていること、近年の練習時間の短縮化などから、授業終了後の約2時間半に限られる。監督、コーチとも同校OBで、当時から練習時間の短さを身をもって知っていた。[br][br] 「甲子園を目指すためにはもっと実りのある練習をしなければならない」。それまでは全体練習が中心だったが、2人が指導者となった2018年以降、試行錯誤を繰り返しながら、投手と野手が別々で練習する今の方法にたどり着いた。「練習改革」だ。[br][br] 投手と野手がそれぞれの役割に専念することで、「個の能力強化」を図るのが狙いだ。部員を多数抱える強豪私立校では練習の棲み分けは珍しいことではないが、小川監督は「以前よりは練習の質は高まったはずだ」と話す。[br][br] 特に、室内練習ではネット越しに互いの取り組み方が見える。内野手の桐山大空(2年)は「投手陣の練習を見ると、こちらも頑張らなければ―と気合が入る。投手、野手は競い合って頑張っていると思う」とうなずく。[br][br] 昨秋の県大会、東北大会は投手陣がチームを牽引した印象が強いが、野手陣も目覚ましい活躍を見せていた。小川監督が指揮を執る野手陣は打撃練習がほとんど。プロ注目のエース福島蓮がチーム内にいることで、負けじと打力に磨きをかけてきたのだという。[br][br] 「福島のチームではなく、打のチームだと評価されるように練習に励んでいる」と宮﨑一綺主将。投手、野手を分ける練習方法は、ナインの闘志にも火をつけている。[br][br] センバツは3月19日に開幕する。今冬は例年以上に地元や周辺の広い室内練習場を借りて、実戦形式の練習量も増やしている。[br][br] チーム内で切磋琢磨し、これまで「個の能力」に磨きをかけてきた。「秋よりも大きく、レベルアップした姿を見せる」。ナインは本番に向けて張り切っている。打撃練習に励む八戸西の野手陣。日々の練習では投手陣と別メニューで調整を行っている=八戸西高雨天練習場