民間信用調査会社の東京商工リサーチ青森支店がまとめた青森県内で2020年に休廃業・解散した企業は、前年より47件多い340件に上り、2年ぶりに増加した。同支店は「新型コロナウイルスの感染拡大が事業を辞める決断を促した」と指摘。その上で、「(行政や金融機関の)積極的な資金繰り支援で休廃業・解散が抑制された部分もあるが、新型コロナの影響は長期化しており、今年はさらに増加する懸念もある」との見方を示している。[br][br] 休廃業・解散は、倒産(法的整理、私的整理)以外で事業活動を停止した企業。18年は過去最多の464件だったが、19年は293件に減少していた。[br][br] 20年は新型コロナの影響で企業の業績が悪化した。政府や自治体、金融機関は事業継続に向け資金繰り支援に注力。倒産は過去最少に並ぶ44件と低水準だったが、先行きが見通せず、事業をたたむ休廃業・解散は増加に転じた。[br][br] 休廃業・解散した企業の代表者の年代別割合は、70代が最多の46・4%。次いで60代が25・2%、80代以上は14・1%と、8割超が60代以上。事業承継がスムーズに進まず、事業者の高齢化が休廃業・解散を加速させる一因となっている。[br][br] 業種別では、飲食や宿泊業を含むサービス業が最多の97件(前年比1件増)。建設業74件(13件増)、小売業61件(10件増)、卸売業37件(12件増)と続く。[br][br] 同支店は「赤字補塡(ほてん)を中心とした現在の支援制度では、あきらめ型の休廃業・解散は回避できない。中長期的な事業改善につながる支援が必要だ」と述べた。