乳製品宅配で見守りサービス10年 コロナ禍、帰省自粛で重要性高まる

牛乳の宅配時に高齢者へ声掛けする配達員(左)。コロナ禍で「お元気確認サービス」の重要性が高まっている=昨年12月、八戸市
牛乳の宅配時に高齢者へ声掛けする配達員(左)。コロナ禍で「お元気確認サービス」の重要性が高まっている=昨年12月、八戸市
乳製品の宅配事業を手掛ける南山デイリーサービス(八戸市、南山泰政社長)が、高齢者世帯などを対象にした「お元気確認サービス」を開始してから今年で10年の節目を迎える。牛乳などを家庭に届ける際に利用者の安否を確認する取り組みで、これまでに人命を.....
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 乳製品の宅配事業を手掛ける南山デイリーサービス(八戸市、南山泰政社長)が、高齢者世帯などを対象にした「お元気確認サービス」を開始してから今年で10年の節目を迎える。牛乳などを家庭に届ける際に利用者の安否を確認する取り組みで、これまでに人命を救った事例もあった。新型コロナウイルスの影響で離れて暮らす家族が帰省を控える中、1人暮らしのお年寄りを見守るサービスとして重要性が高まっている。[br][br] お元気確認サービスは2011年7月、本格的にスタート。同年3月の東日本大震災直後に、顧客の安否確認などに取り組んだ経験を踏まえて事業化した。[br][br] 乳製品の宅配を受けている顧客は、無料でサービスの利用が可能。週2回の宅配時に、配達員が利用者に対面して商品を手渡し、声掛けをしながら体調や行動などに異変がないかを確認する。返事がなかったり、異変を感じたりした場合は、配達員が本社の「お客様相談室」に報告。相談室の担当者が事前に登録された家族や民生委員、関係機関などに連絡する仕組みだ。[br][br] 同社の営業エリアである北東北の16市町で、各自治体の地域包括支援センターと連携して実施しており、現在は約300世帯がサービスを利用。青森県南地方では八戸、十和田、三沢、三戸、五戸、階上、おいらせ、七戸、六戸、東北の10市町が対象となっている。[br][br] これまでに、転倒して動けない状態だった1人暮らしの高齢者を発見した事例のほか、脳卒中が疑われる人の異変に気付いたケースなどがあったという。[br][br] 対面式のサービスはお年寄りに好評で、八戸市内の90代女性は「週2回、牛乳を届けてもらえて助かっている。(配達員が)いつも明るく元気な顔を見せてくれて安心する」と話す。[br][br] 利用者の中には、子どもら家族と離れて生活している1人暮らしの高齢者も多い。首都圏など遠方にいる家族がコロナ禍で帰省の自粛を余儀なくされる中、同社の活動が果たす役割はますます大きくなっている。[br][br] 配達員は現在、利用者との間隔を取って会話するなど、感染防止対策を講じている。事業を担当する関口勝男エリアマネージャーは「離れて暮らす家族にとっては、当社から連絡がないことが安心につながる。今後はさらに高齢化が進むため、関係機関と情報を交換しながら、より良い仕組みを整えたい」と語った。牛乳の宅配時に高齢者へ声掛けする配達員(左)。コロナ禍で「お元気確認サービス」の重要性が高まっている=昨年12月、八戸市