天鐘(1月11日)

ビル・ゲイツ氏が初めてプレゼンに臨んだのは17歳。交通量を分析するシステムを開発し、自宅に市職員を招いて機能を説明したが…。自慢の機器がピクリともしない。「ママ、前は確かに動いたと言ってよ!」▼マイクロソフト共同創業者で、世界を変えた実業家.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 ビル・ゲイツ氏が初めてプレゼンに臨んだのは17歳。交通量を分析するシステムを開発し、自宅に市職員を招いて機能を説明したが…。自慢の機器がピクリともしない。「ママ、前は確かに動いたと言ってよ!」▼マイクロソフト共同創業者で、世界を変えた実業家の若き日の逸話である。「失敗は成功のもと」の象徴といえばトーマス・エジソン。かの偉大なる発明家は「1万通りの駄目な方法を見つけただけ」と胸を張った▼時代を超えた人生訓に『論語』がある。古代中国を生きた思想家・孔子の教えをまとめた。志学(15歳)而立(じりつ)(30歳)不惑(40歳)知命(50歳)耳順(60歳)従心(70歳)と、生涯を振り返る一節は有名だ▼おぼろげな未来予想図を描き、知識と経験を積み重ね、ようやく展望が開ける。決断を迫られても、蓄積がないから失敗を繰り返す。自信を備える而立までの試行錯誤は、長い人生の準備期間なのかもしれない▼大人とは? 迷いが消える不惑か、使命を自覚する知命か。耳順、従心は達観の領域。今は想像すらできないだろうが、立ち位置を考えてみるのも悪くない。そんなきっかけにもしたい「成人の日」▼前向きな野心は大いに結構。気後れしそうなら少しだけ勇気を持って。つまずいても立ち上がろう。救いの手に頼ってもいい。二十歳だからこそできる。堂々と失敗を重ねた先に見えるものがあるはずだ。