1都3県に緊急事態宣言 北奥羽地方、迎えた3連休初日/観光業など影響広がる

新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言が首都圏1都3県に再発令された中で迎えた3連休初日の9日、北奥羽地方でも人の往来や観光関連産業への影響が広がった。政府の観光支援事業「Go To トラベル」の全国停止延長も決定し、地元の冬季観.....
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 新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言が首都圏1都3県に再発令された中で迎えた3連休初日の9日、北奥羽地方でも人の往来や観光関連産業への影響が広がった。政府の観光支援事業「Go To トラベル」の全国停止延長も決定し、地元の冬季観光は需要減退が避けられない見通しだ。誘致企業が多数立地する八戸市では出張客も減少傾向にあり、宿泊事業者は「ビジネス客はメイン客層だったが…」「稼働が落ち込んでしまう」と強い懸念を示す。全国的な感染急拡大は地方経済にも暗い影を落としており、新たな経済対策や支援を求める声が高まっている。[br][br] 北奥羽の交通結節点である八戸駅はこの日、スーツケースを引いて新幹線の改札から出てくる家族連れらの姿が見られたが、3連休初日の光景としては例年より利用客がまばらだった。[br][br] 観光客や帰省客が少なくなったあおりを受けた八戸市の八食センターは、年末年始の来場者数が例年と比べて4割ほど減少。大雪や寒波の影響もあり、9日も客足は伸びなかった。[br][br] 事務局の担当者は「感染防止対策はさらに徹底しなければならない」と警戒感を強調。地元や近隣からの誘客増を目指しつつ、現在進めているトイレ改修や子ども向け遊戯場「くりやランド」の今春のリニューアルにより、新たに子育て世代の取り込みを図る考えを示す。[br][br] 緊急事態宣言の発令を受け、北奥羽に拠点を構える首都圏の企業は対応を急いだ。三菱製紙は全国的な感染急拡大以降、東京本社や八戸工場を行き来する不急の出張を原則禁止に。広報担当者は「ウェブ会議を活用し、本社ではテレワークを多くしている」と話す。[br][br] 同市内に工場を置く首都圏の誘致企業の担当者は「やり取りはリモートで行い、ビジネスの出張は当面禁止にした。八戸の事業所に感染者が出れば企業活動が停滞する」と明かす。[br][br] こうした企業側の動きを背景に、出張客の利用が多い市内の宿泊施設は予約が伸び悩む。あるホテルの関係者は「しばらくは観光客に期待できない中、メイン客層のビジネス客も減ってしまえば稼働状況が厳しくなる」と危機感を強める。[br][br] 八戸ホテル協議会の倉田任康会長は「GoToトラベルの効果もあって昨年11月までは稼働が回復傾向にあったが、全国的に感染が広がった12月に入ってから下火になった」と説明。「今の状況では大きな回復は見込めないが、青森県や八戸市の宿泊キャンペーンを活用して、近場の方に宿泊してもらいたい」と切望する。[br][br] 地元の経済関係者は、全国的な感染拡大の食い止めが第一とした上で、「緊急事態宣言の発令は首都圏と経済的なつながりがある地方にも多大な影響を及ぼす。国には地方の実態にも目を配った経済対策や支援をお願いしたい」と訴えた。