信仰の拠点、再興へ奮起 立正閣(三沢)の若き尼僧・小倉さん、手描き御首題が評判

1月の御首題デザインを考える小倉妙加さん=昨年12月、三沢市の立正閣 
1月の御首題デザインを考える小倉妙加さん=昨年12月、三沢市の立正閣 
三沢市古間木山にある日蓮宗・立正閣(りっしょうかく)。地域の信者が少なくなった中、この信仰の拠点を守ろうと奮闘しているのが、尼の小倉妙加(みょうか)さん(27)=六戸町=だ。尼になって1年半あまり、日々のお勤めをしながら、絵入りの手描き御首.....
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 三沢市古間木山にある日蓮宗・立正閣(りっしょうかく)。地域の信者が少なくなった中、この信仰の拠点を守ろうと奮闘しているのが、尼の小倉妙加(みょうか)さん(27)=六戸町=だ。尼になって1年半あまり、日々のお勤めをしながら、絵入りの手描き御首題(ごしゅだい)(御朱印)の発行を続ける。「御主題はあくまで教えを広める活動の一環。御主題を通じて法華経(ほけきょう)を知り、興味を持ってもらえたら」。自分なりのやり方で一歩一歩、信仰の道を進む覚悟だ。[br][br] 御首題のデザインは1、2カ月ごとに更新。告知は写真共有アプリ「インスタグラム」で新デザインを発信する程度だが、御朱印収集を趣味とする人の間で情報が広まり、青森県外のファンも多い。1枚千円で、月に150枚ほど授与しているという。 [br][br] 小倉さんは小さい頃から絵が好きで、県立三沢高時代は美術部に所属。「好きなことが仕事に生かせている」と笑う。本年度は本紙文化面「ふみづくえ」のカットも担当している。[br][br] 高校卒業後、裏千家学園茶道専門学校(京都市)に入学。3年生の夏に、信者のまとめ役である父勇一さん(63)から、思わぬ打診を受けた。高齢の先代尼・市澤勝妙さんの跡を継いでほしいというのだ。[br][br] 立正閣はかつては立正結社といい、県外信者も集まる栄えた道場だという。小倉さんも小さい頃から足を運んでいた。就職を考えていたため一度は父の話を断ったが、「先代には名付け親になってもらうなどお世話になった。学校近くに(日蓮宗の本山)本法寺があるのも縁かもしれない」と決断。本法寺で修行しつつ、尼衆宗学林(にしゅうしゅうがくりん)の聴講生となって一から勉強した。[br][br] 3年間の修行を経て尼となり、地元へ戻ったのは2019年5月。名前も「美加」から「妙加」に改めた。頼みの綱だった先代は2年前に死去しており、信者や家族に支えられながら、手探りでの運営が始まった。本法寺で担当し、絵入りにして喜ばれた御首題を立正閣でも始め、昨年5月には事務所や駐車場を整備して活動を本格化させた。[br][br] 今後について「信者を50人に増やし、再び結社にしたい。お勤めや御首題で忙しいけどお茶も教えられたらいいな」と小倉さん。おっとりした口調ながら、しっかりと前を見据えた。1月の御首題デザインを考える小倉妙加さん=昨年12月、三沢市の立正閣