八戸市整備の荷さばき施設D棟 4月1日開場へ

外観がほぼ完成した八戸市魚市場荷さばき施設D棟=2020年12月26日 
外観がほぼ完成した八戸市魚市場荷さばき施設D棟=2020年12月26日 
八戸市が小中野地区の旧市第2魚市場跡地に整備している荷さばき施設D棟について、運営を担う卸売会社などが4月1日の開場を目指して準備を進めていることが2日、関係者への取材で分かった。魚市場の卸売業務は昨年6月にそれまでの2者体制から株式会社八.....
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 八戸市が小中野地区の旧市第2魚市場跡地に整備している荷さばき施設D棟について、運営を担う卸売会社などが4月1日の開場を目指して準備を進めていることが2日、関係者への取材で分かった。魚市場の卸売業務は昨年6月にそれまでの2者体制から株式会社八戸魚市場に1本化され、同社の業務量も増大。D棟開場でさらに人手を要する可能性があり、運用上の工夫が課題となっている。[br][br] 老朽化した魚市場の整備を巡り、市は当初、館鼻、小中野、鮫の3地区に分散する機能を館鼻へ集約する計画だった。しかし、2011年3月の東日本大震災を受け、リスク分散の観点からD棟を小中野に建てる方針へ転換した。 [br][br] D棟では旧第2と同様、主に鮮魚を取り扱う予定。底引き網船や定置網船、沿岸操業の小型船などの水揚げ、販売に対応。現在、鮮魚は代替として館鼻に水揚げされている。[br][br] 建設を巡り、市は東京五輪に伴う資材高騰などを踏まえ、事業費抑制のため施設の規模を縮小した。特に、荷さばき室の長さを当初設計の215メートルから185メートルに変更。これに伴って、荷さばき室前に接岸可能な底引き網船の隻数は6隻から5隻に減った。[br][br] 市水産事務所の茨島隆所長は「水産庁からの指導で規模を見直した。やむを得ない措置」と弁明。事業費は30億円程度で、当初から約2億円の減となる見込みだ。[br][br] 八戸港の水産物卸売業務は長く同社と八戸みなと漁協の2者が担当していたが、20年6月に漁協の撤退を受け単独体制に移行。漁協から7人が同社に転籍した一方、同社の若手にも退職者が出たことなどから、人員に対する業務量は軽減されなかった。[br][br] 同社は今月中にD棟を視察、運営シミュレーションなどを経て移転準備に取り組む構え。施設の規模は旧第2より手狭となっており、現在の人員をどのような形で振り分け、どう対応するかは検討中だ。越後正幸取締役は「軌道に乗るまでは漁業者に多大な協力をお願いすることになると思う」と話す。[br][br] 茨島所長は、工事は順調に進んでいるとの認識を示した上で「開場日はまだ変更の可能性がある。漁業関係者にはぜひ、施設を有効に使ってもらいたい」と強調。同社の川村嘉朗社長は「以前より狭いが、工夫してやっていくしかない」と話した。[br][br] D棟は2月26日に完成予定。昨年12月25日時点の進捗率(工事費ベース)は87%で、本体部分はほぼ完成しているという。外観がほぼ完成した八戸市魚市場荷さばき施設D棟=2020年12月26日