八戸市水産事務所は29日、2020年の八戸港の水揚げ実績(速報値)をまとめた。数量は6万1170トン(前年比7%減)で、2年連続で7万トン割れ。金額も132億8993万円(10%減)と1967年以来、53年ぶりに140億円を下回った。数量、金額ともにスルメイカとサバは上向いたが、イワシは下落。魚価はアカイカなどで新型コロナウイルス感染拡大に伴う需要減が響いた。[br][br] 魚種別で、イカは1万4007トン(7%減)、71億7220万円(15%減)で6年連続の不漁に終わった。ただ、主力のスルメイカは船凍が1584トン(75%増)、13億8250万円(99%増)、生鮮も1026トン(13%増)、7億788万円(29%増)と復調の兆しを見せた。[br][br] 半面、船凍アカイカは6528トン(9%減)、23億9905万円(26%減)とやや伸び悩み。数量でイカ全体を下支えしたものの、コロナの影響で金額が伸びず、10キロ当たりの単価は3675円(19%減)に終わった。[br][br] サバは1万9957トン(13%増)、28億4604万円(22%増)とやや好転した。特に、魚種別の数量で昨年トップだったイワシを抜き最多を記録。単価もサバ缶人気や加工原料不足による引き合いの強さを背景に、1426円(8%増)と好調を維持した。[br][br] ここ4、5年ほど豊漁が続いたイワシは1万9505トン(26%減)、8億8084万円(34%減)と減速。単価も452円(11%減)にとどまった。[br][br] 数量の大半を占める大中型巻き網船の水揚げは北海道東沖が1万3920トン(42%減)と振るわず。シーズン前半は単価が低迷し、船団が他の漁港を選ぶケースも目立ったという。八戸近海のマイワシは魚影が極端に薄く、漁獲はわずか4595トンに終わった。[br][br] 漁業別では、イカ釣りは9144トン(2%増)、44億9445万円(増減なし)で水揚げ全体のうち数量16%、金額33%を占めた。大中型巻き網は3万9365トン(12%減)、41億9172万円(9%減)で、全体のうち数量65%、金額32%。機船底引き網は8646トン(10%増)、31億2879万円(20%減)で、全体のうち数量14%、金額23%となった。[br][br] 全国の魚市場ランキングは30日に同事務所が発表する。昨年は数量が10位、金額は11位だった。