電事連、プルサーマル計画「30年度までに12基」に/16~18基の目標断念

電気事業連合会が、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を利用するプルサーマル発電炉について、これまでの「16~18基」という導入目標を断念し、新たに「2030年度までに少なくとも12基」とする方向で検討していることが11日、複数の関.....
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 電気事業連合会が、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を利用するプルサーマル発電炉について、これまでの「16~18基」という導入目標を断念し、新たに「2030年度までに少なくとも12基」とする方向で検討していることが11日、複数の関係者への取材で分かった。近く新たな目標を公表する。[br][br] 電事連は09年に「15年度までに全国の16~18基」でプルサーマル発電を導入する目標を示した。だが、11年の東京電力福島第1原発事故で状況は一変。事故後、導入炉で再稼働したのは4基にとどまり、目標達成は困難となっていた。[br][br] 一方、六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場とMOX燃料加工工場が今年、新規制基準の審査に相次いで合格。両工場の完成が現実味を帯びる中、電事連は、再処理によって生み出されるプルトニウムを消費する新たな計画を早期に示す必要に迫られていた。[br][br] 今回、現行目標の16~18基より少ない12基の原発でプルサーマルを実施するとしたのは、全国の原発で再稼働が進んでいない状況を踏まえた現実路線への転換と言える。[br][br] ただ電事連は16年3月公表の資料で、16~18基の目標について、プルトニウムの海外保有分と再処理工場をフル稼働して生まれる分を「確実に利用するため導入することとしている基数」と説明していた。[br][br] 日本は19年末時点で、国内外に約45・5トン(うち核分裂性は約30・1トン)のプルトニウムを保有し、国際社会から保有量削減を求められている。[br][br] 現行目標の取り下げは、プルトニウムの消費に大きく影響する。再処理工場が操業したとしても、当面はフル稼働できないことが確定的となる。