中間貯蔵施設の共用検討/電事連 関電支援が狙いか

電事連が使用済み核燃料中間貯蔵施設の共同利用を検討しているとされるリサイクル燃料貯蔵の本社=2019年7月、むつ市
電事連が使用済み核燃料中間貯蔵施設の共同利用を検討しているとされるリサイクル燃料貯蔵の本社=2019年7月、むつ市
大手電力でつくる電気事業連合会が、原発の使用済み核燃料を一時保管するむつ市の中間貯蔵施設について、原発を持つ各社による共同利用を検討していることが10日分かった。施設は東京電力ホールディングスと日本原子力発電の燃料受け入れを前提に建設してい.....
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 大手電力でつくる電気事業連合会が、原発の使用済み核燃料を一時保管するむつ市の中間貯蔵施設について、原発を持つ各社による共同利用を検討していることが10日分かった。施設は東京電力ホールディングスと日本原子力発電の燃料受け入れを前提に建設しているが、実現すれば他電力の利用が可能となる。[br][br] 運転開始から40年を超えた原発の再稼働を巡り、福井県から県外の中間貯蔵施設の候補地を示すよう求められている関西電力を支援するのが実質的な狙い。むつ市の宮下宗一郎市長は不快感を示しており、協議は難航が避けられない情勢だ。電事連の池辺和弘会長(九州電力社長)は18日に東京都内で会見する予定で、発言が注目される。[br][br] 東電と原電が出資するリサイクル燃料貯蔵(RFS)が施設を運営しており、2021年度の操業開始を目指している。関電を含め大手電力が施設の使用料を支払う案などが持ち上がっている。[br][br] 福井県は、40年超の美浜原発3号機(同県美浜町)、高浜原発1、2号機(同県高浜町)を再稼働する前提条件として、中間貯蔵施設の県外候補地を20年内に示すことを関電に求めている。[br][br] 18年に関電がRFSに出資し共同利用することで最終調整していることが分かったときは、宮下氏は拒否。今回は関電だけを前面に出さず、電力業界が一体となって共同利用を後押しする考えだが、地元の理解が得られるかどうかははっきりしない。[br][br] 施設は東電や原電の使用済み核燃料計5千トンを金属製の専用容器に入れて最長50年間保管する計画だ。東電や原電の原発は東電福島第1原発事故により、1基も稼働していない。[br][br] 関電や九電など再稼働した原発のプールには使用済み核燃料がたまり続けており、満杯になれば運転が困難になる。共同利用が実現すれば、RFSに利用料が入り、経営が安定するとの考えも働いたようだ。電事連が使用済み核燃料中間貯蔵施設の共同利用を検討しているとされるリサイクル燃料貯蔵の本社=2019年7月、むつ市