【短歌甲子園】切磋琢磨の八戸と八戸西 大舞台で努力が結実

決勝を前に、八戸高、八戸西高の両校生徒が合同歌会を実施。田茂博之教諭(奥)の指導を受けながら、本番さながらに意見を交わした=15日、八戸ブックセンター
決勝を前に、八戸高、八戸西高の両校生徒が合同歌会を実施。田茂博之教諭(奥)の指導を受けながら、本番さながらに意見を交わした=15日、八戸ブックセンター
第15回全国高校生短歌大会「短歌甲子園2020」は、青森県立八戸高の連覇、県立八戸西高初の準優勝で幕を閉じた。全国46校61チームの中から、八戸勢が“ワンツーフィニッシュ”を飾る快挙は八戸歌壇に大きな話題を呼んだ。両校の文芸部員は大会では勝.....
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 第15回全国高校生短歌大会「短歌甲子園2020」は、青森県立八戸高の連覇、県立八戸西高初の準優勝で幕を閉じた。全国46校61チームの中から、八戸勢が“ワンツーフィニッシュ”を飾る快挙は八戸歌壇に大きな話題を呼んだ。両校の文芸部員は大会では勝敗を争う対戦相手だが、同時に同じ地域で実力を高め合う仲間。合同歌会を開くなど学校の枠を越えて切磋琢磨(せっさたくま)してきた努力は、全国大会でしっかりと花開いた。[br][br] 八戸高は昨年の優勝以降も多くの大会に参加して力を磨き、八戸西高は部員3人全員が短歌を始めてから1年に満たないながらも、決勝まで勝ち抜く実力を付けてきた。[br][br] 両校の飛躍に大きく関わったのが、八戸西高文芸部顧問の田茂博之教諭だ。13年に八戸高へ赴任すると、廃部寸前の文芸部に生徒を勧誘して存続させ、昨年度は短歌甲子園優勝に導いた。本年度、八戸西高へ転任したが、両校合同の句会や歌会を企画。新旧“教え子”の交流を通じたスキルアップを図ってきたほか、津軽地方の高校からも請われれば丁寧に助言・指導した。[br][br] 決勝3日前の11月15日に八戸ブックセンターで開いた合同歌会では、本番さながらの批評の応酬が続き、八戸高2年の平こころさんは「互いの学校の作風、良さがあり、八戸西高からは新しい風を感じられる」と刺激を受けた様子。八戸西高1年の中村唄さんも「語彙(ごい)力や表現が多彩な八戸高と勉強できるのは貴重な経験。これを糧にさらにレベルアップしたい」と、今後の活動に意欲を見せた。[br][br] 地元短歌関係者も快挙を喜ぶ。北奥羽短歌協会の木立徹会長は「八戸にとって誇るべきこと。学生の活躍は短歌をしている多くの人に刺激を与え、励みにもなる」と両校を祝福した。[br][br] 文芸の活性化には、土台となる若手の台頭が不可欠だ。田茂教諭は「県全体のレベルアップにつながればと、学校の分け隔てなく取り組んできた。結果は結果だが、両校の生徒が指導したことを吸収し表現してくれたことがうれしい」と語り、今後の高校文芸の盛り上がりに期待を寄せた。決勝を前に、八戸高、八戸西高の両校生徒が合同歌会を実施。田茂博之教諭(奥)の指導を受けながら、本番さながらに意見を交わした=15日、八戸ブックセンター