RORO船(貨物専用フェリー)を運航する栗林商船(東京)とオーシャントランス(同)が八戸港に新たな定期航路を開設することが25日、分かった。12月1日から苫小牧―東京の南下便が週1回、八戸港に寄港し、主に紙製品を輸送する。新たなRORO船の航路開設により、八戸港の物流拠点性が高まることが期待される。[br][br] 八戸港国際物流拠点化推進協議会事務局の八戸市商工課によると、両社のいずれか1社が毎週火曜日に寄港。栗林商船は「神王丸」1隻、オーシャントランスが「海王丸」「天王丸」の2隻を使用し、王子ホールディングス(東京、HD)の子会社である王子物流が貨物の手配などを手掛ける。東京から苫小牧港へ向かう北上便は八戸港に寄らない。[br][br] 第1便として寄港する神王丸は2020年3月に完成した新造船。全長190メートルで総トン数は1万3620トン。トレーラー192台、乗用車200台を積む能力がある。八戸港では苫小牧港で積んだ紙製品を下ろすほか、三菱製紙八戸工場で製造した紙製品を東京方面へ輸送する。[br][br] 王子HDと三菱製紙は資本業務提携を結んでおり、同社の八戸工場でティッシュやトイレットペーパーといった家庭紙を共同製造している。両社の連携の一環として物流の効率化を図る狙いもあるとみられる。[br][br] 現在、八戸港ではプリンス海運(神戸市)とフジトランスコーポレション(名古屋市)がRORO船を運航しており、定期便の開設は3社目、4社目となる。