上手く感情伝えるには?「アンガーマネジメント」八戸・旭ケ丘小、授業に導入

自分の感情や相手への要求の伝え方について話し合う児童=16日、八戸市立旭ケ丘小
自分の感情や相手への要求の伝え方について話し合う児童=16日、八戸市立旭ケ丘小
怒りの感情をうまくコントロールするための心理トレーニングとして注目を集める「アンガーマネジメント」。上手に感情を伝える方法を早くから学んでもらおうと、積極的に取り入れている学校がある。八戸市立旭ケ丘小(島浦靖校長)では、思春期の入り口に立つ.....
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 怒りの感情をうまくコントロールするための心理トレーニングとして注目を集める「アンガーマネジメント」。上手に感情を伝える方法を早くから学んでもらおうと、積極的に取り入れている学校がある。八戸市立旭ケ丘小(島浦靖校長)では、思春期の入り口に立つ高学年を対象に、授業の年間計画に導入。全国的にも珍しい取り組みで、島浦校長は「人間関係を良好にするこつを知ることで、子ども同士のトラブルを未然に防ぐことができる」と意義を強調する。[br][br] アンガーマネジメントは、1970年代に米国で精神疾患のある人や感情コントロールが必須な職業人を対象に開発された。日本では福祉分野のカウンセリングやパワーハラスメント予防などに広く用いられている。教育現場では、いじめ抑止効果なども期待される。[br][br] 県教委などで長く生徒指導、教育相談に携わった島浦校長は、子ども同士が感情表現がうまくできないことが原因でトラブルに発展するケースを多く見た経験から、アンガーマネジメントの重要性を感じており、校長として赴任した同校で本年度から導入した。[br][br] 授業をサポートする「アンガーマネジメントジャパン」によると、授業の中で、単発的に教える事例はあるが、継続して学ぶ例は青森県内初で、全国的にも珍しいという。[br][br] 6年1組は9月から計5回にわたり授業を実施。児童は今月16日、最終回の授業を受けた。自分の消しゴムを友人に勝手に使われる―という想定で、自分の感情や相手への要求を伝える場面では、いら立つ感情を抑えて「自分が使っていたので悲しい。一言断ってほしい」など良好な人間関係を保ちながら気持ちを表現する言葉を探した。[br][br] 友人たちの意見に共感できない―というケースでは、「どうして?」と素直に問い掛け、互いの気持ちを理解しようとする場面も。島浦校長は「感情を表す言葉を知るだけでも授業の価値がある」と強調する。 [br][br] 児童も多くの事例から、相手の心情に寄り添う方法を学んだ様子。島守桜雅君(12)は「自分と他人の考えが違うことがあると分かり、すっきりした」、田名部あゆみさん(12)も「もし自分だったら、と考えられるようになった」と収穫を語った。[br][br] アンガーマネジメントの導入に当たり、教師たちは事前に2度の講習を受けた。担任の久田麻子教諭は「専門知識がなくても授業を進められた」と、しっかり準備さえすればハードルは高くないとの認識。「児童もみんながいらいらの感情を持っているということに気付き、感情を分かり合える安心感を得たようだ」と手応えを感じていた。自分の感情や相手への要求の伝え方について話し合う児童=16日、八戸市立旭ケ丘小