天鐘(11月18日)

小欄もサラリーマン。転勤は宿命である。赴任前は不安に駆られる。だが実際に移り住んでみると、魅力にはまってしまうから面白い。その土地のことを深く知れば仕事も円滑に進む。積極的に各地へ足を運ぶ▼果樹園巡りは三戸支局時代の思い出。サクランボ、モモ.....
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 小欄もサラリーマン。転勤は宿命である。赴任前は不安に駆られる。だが実際に移り住んでみると、魅力にはまってしまうから面白い。その土地のことを深く知れば仕事も円滑に進む。積極的に各地へ足を運ぶ▼果樹園巡りは三戸支局時代の思い出。サクランボ、モモ、ナシ、ブドウ…。この時季ならリンゴである。「甘くて一番うまい」とは同じ転勤族である警察官の弁。生産量が多い“本場”の津軽人をも感動させた▼青森の代名詞となったリンゴ。その歴史は明治8(1875)年、当時の内務省から配布された3本の苗木を県庁に植えたのが始まり。数年後には三戸地方でも試植され、明治中頃から生産が本格化する▼名久井岳の麓を中心に園地が広がる。山々に抱かれた盆地だから昼夜の寒暖差が大きい。県内屈指の栽培適地である。恵まれた自然環境、長年の経験から培った農家の技術が、豊潤な「三戸リンゴ」を生み出す▼一般的な知名度に反し、特定の地域で採れるふじは、品質の高さからブランド級の扱い。樹齢100年超の古木に実を付ける「百年紅玉」、直径4~5センチで手のひらサイズの「ミニふじ」といった個性も光る▼日本一のリンゴ、ニンニク、ゴボウだけではない。青森県には数々の豊かな実りがある。食料自給率は全国上位。日本を支える逸品を広く知ってもらいたい。そして我々も、もっと古里に誇りを持ちたい。