東通原発事故を想定、県が防災訓練

新型コロナウイルス下での避難を主眼に置き、発熱者らへの対応を確認した青森県の原子力防災訓練=12日、東通村
新型コロナウイルス下での避難を主眼に置き、発熱者らへの対応を確認した青森県の原子力防災訓練=12日、東通村
青森県は12日、東北電力東通原発(東通村)での重大事故発生に備えた原子力防災訓練を周辺5市町村で実施した。全国で猛威を振るう新型コロナウイルスへの対応に主眼を置き、避難所の運営方法などを確認した。 県東方沖を震源とする地震と津波が発生し、原.....
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 青森県は12日、東北電力東通原発(東通村)での重大事故発生に備えた原子力防災訓練を周辺5市町村で実施した。全国で猛威を振るう新型コロナウイルスへの対応に主眼を置き、避難所の運営方法などを確認した。[br][br] 県東方沖を震源とする地震と津波が発生し、原子炉注水機能を喪失した原発から放射性物質が放出された―と想定。陸上自衛隊東北方面隊の「みちのくALERT2020」と連携するなど、約70機関約1200人が集った。新型コロナの感染状況を踏まえ、一般住民の参加者は約40人に抑えた。広域避難先となる青森市など津軽地域での訓練は行わなかった。[br][br] 青森市の避難所に見立てた東通村体育館では青森、弘前など5市町の職員らが避難者を新型コロナの感染の疑いがある人とそれ以外に分けて誘導したり、間隔を空けて居住スペースを設置したりして、流行下の運営方法を学んだ。[br][br] 園児や小中学生は放射性物質を取り除く換気設備が設置された東通中体育館に待避し、原発事故時の避難について説明を受けた。同校3年の西山倫子さん(15)は「家族と原子力災害の話をしたことはない。家族に訓練で学んだことを伝えたい」と話した。[br][br] 訓練を視察した三村申吾知事は「新型コロナへの対応は原子力だけでなく、自然災害でも重要。安全安心の保ち方をこれから検証していかなければならない」と総括した。[br][br] 今回は、訓練の現場で第三者による評価を初めて試みた。県は検証に活用し、必要に応じて市町村に避難計画などへの反映を促していく方針。新型コロナウイルス下での避難を主眼に置き、発熱者らへの対応を確認した青森県の原子力防災訓練=12日、東通村