八戸市の小林眞市長(70)の4期目の任期が、16日で残り1年となる。現時点で小林氏が5期目となる次期市長選への対応を「白紙」とする中、これまで同氏を全面的にバックアップしてきた自民党系市議会会派の幹部は「本人の決断次第」と強調する。一方、これまで自民に対立軸を示してきた立憲民主党系会派は「今後の市政運営への対応を見極める」とけん制し、独自候補の擁立も視野に入れる。現時点で、完全無所属で名乗りを挙げている新人はおらず、今後、国政選挙の衆院選も控えていることから各政党の動きも加速しそうだ。[br][br] 小林氏は2005年10月の市長選で初当選。17年の選挙で4選を決めてからは、新美術館の建設や市総合保健センターの整備、妊娠や出産、子育てに関して切れ目のないサポートを行う「八戸版ネウボラ」の実現に向けた子育て世代包括支援センターの開設など、各種施策を推進してきた。[br][br] 次期市長選への対応について本人は現段階で「白紙」とし、「残りの任期を一生懸命やることに尽きる」と述べるにとどめる。[br][br] 一方、市長周辺の関係者は「出馬を決断すれば、来年3月の市議会定例会あたりで表明するだろう」との見方を示す。しかし「勇退もあり得る」との臆測もあり、与野党ともに小林氏の動向を注視する。[br][br] これまでの小林氏の市政運営について、市議会与党で第一会派、自民・市民クラブの坂本美洋会長や、公明党会派の夏坂修代表は「公約を着実に推進し、よくやっている」と評価。[br][br] その上で坂本会長は「残り1年も丁寧な市政運営を続ければ、5期目も見えてくるだろう」と、仮に小林氏が出馬を決めた場合の支援に前向きな姿勢を示す。[br][br] ただ、自民関係者の中には、4期という長さや年齢を考慮し、「若い人で新しい風を吹かせてもいいのでは」との意見も。小林氏が出馬を決め、再選した場合は、秋山皐二郎氏以来、市政史上2人目の5期目の市長となることから、自民内にもさまざまな声がある。[br][br] 一方、小林市政に対して「是々非々の立場」を強調してきた第2会派・立憲民主系のきずなクラブ。五戸定博会長は「行政を知り尽くしており、手腕はある」としながらも、「緊張感が薄れてきている」と指摘する。[br][br] 稼働の低迷が続く市第3魚市場荷さばき施設A棟の問題などを引き合いに、「自分の思いだけを貫こうとする側面がある」と批判。大型公共施設の建設が相次ぎ、維持管理費が増大するなど将来的な財政への圧迫も懸念する。新緑・無所属の会の伊藤圓子会長も同様の見解だ。[br][br] このため、五戸会長は今後の市長の動き次第では、対抗馬を擁立する可能性を示唆。「まずは対応を見極めたい」とけん制する。[br][br] 17年の前回市長選で対抗馬を擁立した共産党会派は今後、本格的な検討に入る考え。市政運営については「『平和』に関する面は評価できるが、子育て支援など重点を置くべき市民の暮らしに関わる部分は、二の次になっている」と指摘する。