青森県などは1日、県内で新たに9人の新型コロナウイルス感染者を確認したと発表した。うち5人は八戸市在住の女性で、10月31日に新型コロナの影響で死亡した80代以上女性が利用していた通所型介護施設と直接または間接的に関連があった。市は、感染順や感染経路は不明としつつ「施設でクラスター(感染者集団)が発生した」と認定。1日現在、施設利用者を中心に、少なくとも約60人のPCR検査を進めており、状況の確認や感染拡大の封じ込めを急いでいる。[br][br] 市によると、施設は「デイサービスセンターひまわり苑」(同市糠塚)。市は「施設の性格上、利用者が他の施設でも介護サービスを受けている可能性がある。広く注意喚起をするため」として、施設名を公表した。[br][br] 市は1日までに、施設利用者全90人のうち、死亡した80代以上女性と利用日が重なっていた34人を優先してPCR検査を実施。この結果、感染が判明したのは、新型コロナの影響で亡くなった80代以上女性と施設利用日が重なっていた80代以上の女性3人(無症状)、70代女性1人(症状調査中)。残る30人は陰性だった。[br][br] 直接の利用者以外で、70代女性1人の感染も判明した。10月17日に施設利用歴があった市内の高齢女性(既に他界)と同居していた親族で、30日に市内の医療機関に救急搬送されて、現在入院中。今回、高齢女性の施設利用が判明したため検査した結果、陽性反応が出た。肺炎などの症状があり、重症という。[br][br] 市は、残る55人の施設利用者や濃厚接触者らについても検査を進め、状況の確認を急ぐ考え。県から県感染症対策コーディネーターの加來浩器・防衛医科大防衛医学研究センター教授の派遣を受け、クラスター対策などに当たる。[br][br] 一方、県内でほかに感染が確認されたのは、いずれも弘前市の飲食店で発生したクラスター関連とみられる弘前保健所管内の4人。院内感染が判明した弘愛会病院の職員と同居する30代女性1人と、感染経路を調査中の感染者との同居人や知人の30~50代の女性計3人。県内での感染確認者は累計で236人となった。