青森県は30日、9月の観光統計調査(速報値)の結果を公表した。県内主要宿泊施設(76カ所)の延べ宿泊者数は、前年同月比20・9%減の16万8699人。県内主要観光施設(35カ所)の延べ入り込み客数は、33・1%減の58万1029人だった。県が実施する県民対象の宿泊キャンペーンや、国の観光支援事業「Go To トラベル」など需要喚起策が一定の効果を上げたとみられる。ただ、新型コロナウイルスの感染が県内でも拡大しており、先行きは不透明だ。[br][br] 新型コロナの感染拡大で緊急事態宣言が出された4、5月は前年より7割以上減少。県境をまたいだ移動制限が解除された6月からは、平年の水準には満たないが、回復傾向にある。[br][br] 宿泊施設を地域別に見ると、上北地域(9カ所)が3万8087人(前年同月比12・5%減)と最多。このほか県南地方では、八戸市(17施設)3万2152人(22・1%減)、下北地域(12施設)1万7178人(21・4%減)。 観光施設の延べ入り込み客数は、県南では八戸市の八食センターが14万9983人(26・9%減)、十和田市の石ケ戸休憩所は2万3025人(50・3%減)、むつ市観光交流センター「安渡館」が5968人(29・2%減)だった。[br][br] 県観光企画課は「需要喚起策に加え、修学旅行の利用で平年並みの数値になった施設もある」と説明。10月の見通しについて、「紅葉で多くの観光客が見込まれるが、県内での感染拡大で落ち込みが懸念される。観光施設の感染対策を徹底したい」と述べた。