「三戸リンゴ」に熱視線 百貨店バイヤーに売り込み

ミニふじの園地でバイヤーに説明する吉田広史社長(左から2人目)ら=26日、三戸町
ミニふじの園地でバイヤーに説明する吉田広史社長(左から2人目)ら=26日、三戸町
青森県有数のリンゴの産地である三戸町で、果樹をブランド化する取り組みが始まっている。生産量や保存体制では一大産地である津軽地方に劣る中、同町の地域商社SANNOWA(サンノワ、吉田広史社長)が町で栽培される「ミニふじ」と「百年紅玉」に着目。.....
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 青森県有数のリンゴの産地である三戸町で、果樹をブランド化する取り組みが始まっている。生産量や保存体制では一大産地である津軽地方に劣る中、同町の地域商社SANNOWA(サンノワ、吉田広史社長)が町で栽培される「ミニふじ」と「百年紅玉」に着目。町の協力の下、百貨店バイヤーを招いて関西方面にも売り込みを図り、「三戸リンゴ」の品質の高さと独自性を広く売り出したい考えだ。 [br][br] 三戸町は山あいの盆地という地形上、昼夜の寒暖の差が大きく、リンゴ栽培に適している。2019年に町が実施した調査では、糖度が増す条件となる9~11月の昼夜の寒暖差が、弘前市や黒石市に比べて同町の方が大きいことも分かっている。[br][br] こうした恵まれた環境の中、サンノワが着目したのが「ミニふじ」と「百年紅玉」だ。ミニふじは同町のリンゴ農家で15年ほど前に亡くなった故水野益治さん(享年51歳)が長年の研究の末に開発した品種。大きさは通常のリンゴより一回り小さい直径5センチほどで、味と保存性の良さを兼ね備える。現在は水野さんの母しげさん(87)が同町で栽培を続ける。[br][br] 百年紅玉は、同町の山田敏実さん(71)の園地に20本ほど残る樹齢100年以上の木から採取される。町によると、リンゴの木は生産性が低下する50~60年ほどで植え替えられることが多く、樹齢100年以上は県内でも珍しいという。[br][br] 26日には、阪急阪神百貨店(大阪市)の生鮮担当バイヤー、竹林豊さん(39)が来町。同社の主力店舗の阪急うめだ本店(同市)で12月に予定する青森県南地方の商品販売イベントへ向け、水野さんと山田さんの園地を視察した。[br][br] 同店舗では今年2月にも三戸町産品のイベントを実施しており、竹林さんは「青森県は西側のイメージが強いが、三戸も果樹や『11ぴきのねこ』など、引き出せば多くの魅力がある」と強調する。[br][br] サンノワはミニふじを「ミニフジコ」の愛称で売り出す戦略を描く。吉田社長は「国内トップクラスの百貨店で商品を売れるのは、会社だけでなく町にとっても大きなチャンス。町産品をPRし、効果を波及させたい」と話している。ミニふじの園地でバイヤーに説明する吉田広史社長(左から2人目)ら=26日、三戸町