蔦沼で初の入場制限始まる 目立った混乱なく

入場制限でスペースが確保された中、木々が水面に映り込む蔦沼の景色を楽しむ来場者=22日午前6時5分ごろ、十和田市
入場制限でスペースが確保された中、木々が水面に映り込む蔦沼の景色を楽しむ来場者=22日午前6時5分ごろ、十和田市
十和田八幡平国立公園内にある紅葉の名所・蔦沼(十和田市)で22日、新型コロナウイルス対策の一環となる初の入場制限が始まった。混雑する早朝時間帯の事前予約制などを導入。発表が9月末と遅く、周知不足が懸念されたが、目立った混乱はなかった。例年な.....
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 十和田八幡平国立公園内にある紅葉の名所・蔦沼(十和田市)で22日、新型コロナウイルス対策の一環となる初の入場制限が始まった。混雑する早朝時間帯の事前予約制などを導入。発表が9月末と遅く、周知不足が懸念されたが、目立った混乱はなかった。例年ならピーク時に300人ほどであふれかえる展望デッキ内の利用者は、3分の1以下に抑制。ゆったりと観賞できるようになり、来場者の反応は上々だった。[br][br] 蔦沼は国内有数の紅葉スポットとして知名度を高めており、朝日を浴びた紅葉が水面に映る絶景が、特に人気を集めていた。一方、周辺には蔦温泉の駐車場約80台分しかなく、周囲の国道での路上駐車や渋滞が深刻化していた。[br][br] 関係機関で作る十和田湖周辺交通渋滞対策協議会は昨年10月の4日間、国道を通行止めとし、代替交通のシャトルバス運行を初めて実施。新型コロナの感染拡大を受けて今年は、密を避けるため、入場制限に切り替えた。例年は展望デッキ外に踏み出る客もおり、デッキの適正利用や周辺の植生の保護も目的とする。[br][br] 対策期間は22~27日の6日間。事前予約制の早朝(午前4時~7時半)は、蔦温泉の駐車場代や展望デッキ入場料として、1グループ4千円の渋滞対策・環境保全協力金を徴収する。日中(午前7時半~午後3時半)は予約制ではないが、駐車場の利用に1台千円の協力金を求める。[br][br] 初日の予約者は27組51人。蔦沼周辺の宿泊施設利用者には、当日に4千円を払えば入場できる措置を取り、酸ケ湯温泉(青森市)から2組が訪れた。蔦温泉の宿泊客や、予約制の導入決定前にツアーを組んでいた団体客を含め、デッキの入場は計88人だった。[br][br] あいにくの曇り空で、朝日が木々を赤く染める光景は見られなかったが、埼玉県上尾市の高塚学さん(33)は「ゆっくりと楽しめたので満足。4千円は少し高いとも思うが、デッキの適正利用の面で予約制は悪くない」と理解を示した。[br][br] 同協議会のスタッフによると、例年の混雑ぶりから諦めていたが、予約制になったことで来るチャンスができたと喜ぶ近隣客もいたという。[br][br] 一方、予約制を知らずに訪れた車も13台ほどあった。早朝に入場できず、日中に再び訪れた宮城県大崎市の渡辺敏晃さん(46)は「コロナ禍なので入場制限は仕方ない。きょうの天気では結果的にこの時間帯でも良かった」と話した。[br][br] 蔦温泉によると、先週から早朝の来場が増え始め、21日は午前5時ごろに駐車場が満車状態になったという。22日からの入場制限開始を見越したとみられる。[br][br] 担当者は「過去には駐車場で誘導する職員が事故に遭うこともあった。対策を取ってもらえるのは良かったが、来年の宿泊予約者に対応するためにも、今後の対策の方向性を早く決めてほしい」とした。入場制限でスペースが確保された中、木々が水面に映り込む蔦沼の景色を楽しむ来場者=22日午前6時5分ごろ、十和田市