青森県は16日、弘前と五所川原、青森市の3保健所管内で26人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。いずれも感染が相次いでいる弘前市の飲食店クラスター(感染者集団)関連と弘愛会病院の職員。同病院では医師や職員ら計5人の感染者を確認したため、県は県内の医療機関で初のクラスターが発生したと認定した。飲食店の従業員の中には、兼業している人もいるという。県感染症疫学コーディネーターの大西基喜医師は「2次、3次感染が起きる可能性は高い」と危機感を示した。[br][br] 1日当たりの感染者数は県内で過去最多を2日連続で更新し、累計83人となった。12日以降に感染を確認した入院中の60代男性1人が重症となり、人工呼吸器を装着している。県内での重症化は初めて。[br][br] クラスターが発生した飲食店は、弘前市鍛冶(かじ)町のクラブ「縷(ル)・シャモン」とスナック「シャモン」で、感染者は現時点で計39人(従業員20人、県内利用客15人、県外利用客4人)となり、前日から24人増加。同病院の感染者は1人増加し、計5人(医師2人、職員3人)のクラスターとなった。[br][br] 今回感染が判明した飲食店クラスター関連の22人は、利用客が弘前管内の40~70代の男女6人、青森市の60代男性1人。従業員が弘前管内の20~60代の男女13人。ほか2人は14日に感染を確認した40代女性従業員と同居する未就学女児1人と、知人の20代女性1人。[br][br] 一方、病院関連は弘前管内の40代女性1人で、再検査で陽性反応を示した。残る弘前管内の40代と60代の男性2人、五所川原管内の40代男性1人は、飲食店クラスターに関連し感染したとみられるが、詳しい行動歴は調査中。[br][br] いずれも軽症か無症状。医療機関への入院を予定しているが、宿泊療養施設の活用も視野に入れる。[br][br] 県は兼業する飲食店の従業員数や店舗、利用客数を全て把握できてない状況。県は「兼業していた人から感染が拡大する可能性がある」と注意を促した。[br][br] 感染した60代男性医師と接触し、検査対象となっていた同病院の患者と職員計194人については、16日までに陰性を確認した。残る検査対象者は約20人。