タプコプ創遊村の「村長」今さん 田子牛の革製品作りに情熱注ぐ

田子牛の革製品作りを手掛ける今篤一さん。手前は財布などの作品=2日、田子町
田子牛の革製品作りを手掛ける今篤一さん。手前は財布などの作品=2日、田子町
田子町のタプコプ創遊村で「村長」を務める今篤一(とくいち)さん(33)が、地域特産の黒毛和牛「田子牛」の革製品作りに情熱を注いでいる。肉質の良さが全国的な評価を得ている田子牛。なめし加工が難しいこともあって皮はこれまで有効活用されていなかっ.....
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 田子町のタプコプ創遊村で「村長」を務める今篤一(とくいち)さん(33)が、地域特産の黒毛和牛「田子牛」の革製品作りに情熱を注いでいる。肉質の良さが全国的な評価を得ている田子牛。なめし加工が難しいこともあって皮はこれまで有効活用されていなかったが、昨年、「生産者が愛情を込めて育てた牛を余すことなく使ってあげたい」と一念発起。思いを共にする関係者と力を合わせ、町の新たな魅力創出に取り組んでいる。[br][br] 南部町出身の今さんは2018年、ドローンの教習や点検調査などを手掛ける「コアライン」(八戸市)に入社。同年、創遊村の指定管理者を同社が受託し、従業員として着任した。[br][br] ドローンパイロットとして入社したため、「当初は戸惑いもあった」。ただ、県立南部工業高出身で工具の扱いに慣れており、趣味で家具作りもしていたため、古民家の手入れや木工品製作などを担当。周辺で山菜を採ったり、ドローンで撮影したりするうちに、田子の豊かな自然に魅了された。[br][br] 革製品との出会いは昨年、創遊村で開かれたイベントで製作を体験したこと。作業工程を学び、趣味で革の小物を作るようになった時、創遊村内で「Takko cafe」を経営する川名美夏さんから「田子牛の革を使ってみてはどうか」と声を掛けられた。[br][br] 数年前から田子牛の皮を業者に頼んでなめし、自分でPR用の革製品を作っていた川名さん。今さんについて、「手先が器用で飲み込みが早い。さまざまなことに挑戦していて、まさに『創遊』を体現している人」と評価。期待通り、今さんは仕事の合間に練習を重ね、1年で財布や名刺入れ、ノートカバーなどを作る技術を身につけた。[br][br] 田子牛を扱う同町の精肉店「肉の博明」の井畑博明社長(65)は、今さんが作った田子牛革財布の愛用者。「生産者の気持ちを届けたいと思って肉を売っている。同じ思いで革製品を作ってくれることがうれしい」と目を細める。[br][br] 今さんは田子牛の革について、「一般的な革用の牛よりも年を重ねているため、丈夫。脂が多い分、しなやかさもある」と解説。「今後、木など他の材料と組み合わせた製品も作ってみたい」と意欲を見せる。[br][br] 作品は創遊村に展示しているほか、オーダーメードの注文も受け付ける。申し込み、問い合わせは創遊村=携帯電話090(2975)5593=へ。田子牛の革製品作りを手掛ける今篤一さん。手前は財布などの作品=2日、田子町