【高レベル最終処分場・調査応募表明】六ケ所の関係者、期待と不安交錯

日本原燃の一時貯蔵施設。高レベル放射性廃棄物はオレンジ色のふたの下に収納される=2019年6月、六ケ所村
日本原燃の一時貯蔵施設。高レベル放射性廃棄物はオレンジ色のふたの下に収納される=2019年6月、六ケ所村
高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体=核のゴミ)の最終処分場選定に向けた文献調査に、北海道の寿都(すっつ)町と神恵内(かもえない)村が進む方向となった8日、固化体が一時貯蔵されている六ケ所村の関係者は「村の重要課題がやっと動き出した」と期待感.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体=核のゴミ)の最終処分場選定に向けた文献調査に、北海道の寿都(すっつ)町と神恵内(かもえない)村が進む方向となった8日、固化体が一時貯蔵されている六ケ所村の関係者は「村の重要課題がやっと動き出した」と期待感をにじませた。一方、既に反対運動が起きている状況に「このまま議論が進むとは思えない」と先行きを不安視する声も上がった。[br][br] 村内には、日本原燃の高レベル放射性廃棄物貯蔵管理施設があり、国が使用済み核燃料の再処理を委託した外国から返還されたガラス固化体1830本を一時保管している。[br][br] 貯蔵は「受け入れた日から30~50年」という期限付きだが、最終処分場問題が解決しないまま既に25年が経過。最初の返還分の期限は2045年に迫る。新たな核のゴミを生み出す使用済み核燃料再処理工場(同村)の完成が現実味を帯びる中、処分場選定は住民の関心事となっている。[br][br] 戸田衛村長は8日の取材に「最終処分場問題は重い課題として捉えており、寿都町の文献調査応募の決定は大変喜ばしい。重要な決断をしていただいた」と歓迎。村議会の髙橋文雄議長は「再処理工場が動き出そうとする中、議論が始まったのはうれしいこと。関係自治体だけでなく、国民全体で考えるきっかけになればいい」と、議論の機運が高まることを期待した。[br][br] 一方で、ある村議は、北海道の鈴木直道知事らが調査実施に反対していることを挙げ、「このまま進むのかと言われれば難しいのは事実だろう」と事態を見守る考えを示した。[br][br] 村内で核燃料サイクル凍結などを訴える市民団体「花とハーブの里」の菊川慶子代表は「危険性が高い高レベル廃棄物を今ある場所から動かすべきではないし、これ以上増やすべきでもない」と主張。「一時的に経済が潤うとしても、安全になるまで途方もない時間がかかるものを受け入れることが、将来のためになるかを考えてほしい」と訴えた。日本原燃の一時貯蔵施設。高レベル放射性廃棄物はオレンジ色のふたの下に収納される=2019年6月、六ケ所村