JR東日本は6日、東北新幹線盛岡―新青森間で、最高時速を現行の260キロから320キロに引き上げるため、今月から防音対策工事に着手すると発表した。約7年間の工期を見込み、所要時間は約5分の短縮が期待される。国が建設を決めた「整備新幹線」の区間で最高時速を引き上げるのは初めて。工事費は約120億円かかる見通し。国土交通省から報告を受けた青森県の青山祐治副知事は「利用増加につながると思われるので、大変喜ばしい。JRと国の尽力に感謝したい」と語った。[br][br] 同社によると、盛岡―新青森間では列車通過時の騒音を抑える工事として、吸音板を計約1・3キロに設置するほか、防音壁のかさ上げなどを計約3・6キロにわたって実施。トンネル突入時の騒音を抑えるため、設置しているアーチ状の構造物の延伸なども24カ所程度で行う。速度向上の開始時期やダイヤは決定次第、公表する。[br][br] 計画の概要は、この日県庁で開かれた県議会新幹線・鉄道問題対策特別委で、国交省鉄道局の寺田吉道次長が説明。質疑で一部委員は対策工事に伴う県の負担増を懸念したが、寺田次長は「費用負担の追加をお願いすることは想定していない」と否定した。[br][br] 2020~21年の年末年始に青函トンネル(総延長約54キロ)を走行する北海道新幹線の速度を、現行の時速160キロから210キロに引き上げる計画について、委員からは速度向上を歓迎する一方、貨物列車と高速ですれ違う安全面で不安視する声が上がった。[br][br] 複数の委員は「新幹線と貨物列車を別々に運行するため、第2青函トンネルの整備が必要ではないか」と指摘。これに対し、県は「積極的に議論するまでには至っていない」と述べるにとどめた。