八戸市三日町の地価横ばい コロナ影響、3年連続上昇ならず

新型コロナウイルスによる経済活動の停滞などで3年連続の地価上昇はならなかった「八戸市三日町4の1」付近=29日
新型コロナウイルスによる経済活動の停滞などで3年連続の地価上昇はならなかった「八戸市三日町4の1」付近=29日
国土交通省と青森県が29日発表した2020年7月1日時点の県内地価(基準地価)で、八戸市中心街の「同市三日町4の1」の価格(1平方メートル当たり)は、13万2千円で横ばいだった。昨年まで2年連続で上昇していたが、新型コロナウイルスの影響を受.....
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国土交通省と青森県が29日発表した2020年7月1日時点の県内地価(基準地価)で、八戸市中心街の「同市三日町4の1」の価格(1平方メートル当たり)は、13万2千円で横ばいだった。昨年まで2年連続で上昇していたが、新型コロナウイルスの影響を受けた。昨年、プラスに転じた「同市六日町31」も9万1300円で増減はなかった。同市中心街では、近年続いた大規模開発が一段落しつつある。今後は感染収束を待つばかりでなく、ハード整備をにぎわい創出に結び付けられるか、ソフト対策の成果も問われそうだ。[br][br] 同市中心街では近年、行政と民間による積極投資で活性化を目指してきた。市は11年に「はっち」、16年に八戸ブックセンター、18年にマチニワと大型公共施設を次々と整備。今年7月には同市八日町に民間主導で市内最大級の高さを誇る13階建ての複合ビルが完成した。来年には市の新美術館の開館を控える。[br][br] 県内他市では郊外商業地の価格上昇が目立つ中、三日町の地価は、18、19年と上昇を続け、六日町も19年に初めて増額に転じるなど、明るい兆しが見え始めていた。[br][br] 一方、コロナ禍は地域経済にも暗い影を落とす。調査を担当した青森市の南彰不動産鑑定士によると、八戸市中心街では新規出店が白紙に戻ったり、感染防止で業者間の商談ができなかったりする事案があった。国交省が3月に公表した20年1月1日時点の公示地価13万3千円と単純比較すると、半年で千円下落した計算となる。[br][br] 南不動産鑑定士は「官民による積極投資が落ち着いてきた中、新型コロナが景気の落ち込みを加速させた」と分析。「収束のタイミング次第で地価は大きく変動するだろう」と見通しを示す。[br][br] 中心街関係者は新型コロナの影響を受け止めつつ、先を見据える。「八日町の複合ビルや新美術館の建設が進んでいるため、今年も上昇すると思っていた」と話すのは、商店街振興組合三日町三栄会の類家德昌理事長。落胆しつつも、「今のうちにまちなかの環境整備を進め、コロナが収束したら多くの人に来てもらえるよう受け入れ態勢を整えたい」と強調する。[br][br] 六日町商店街振興組合の松井正文理事長は「新型コロナの影響もあってやむを得ない面がある。感染対策をしながら、にぎわいを創出できるイベントの企画などを考えていきたい」とソフト事業の充実を訴える。新型コロナウイルスによる経済活動の停滞などで3年連続の地価上昇はならなかった「八戸市三日町4の1」付近=29日