【新型コロナ】「まるで呪縛」完治後も後遺症に苦しむ

新型コロナウイルス感染後、PCR検査で陰性となったにも関わらず、後遺症と思われる症状を訴える例が各地で報告されている(写真はイメージ)
新型コロナウイルス感染後、PCR検査で陰性となったにも関わらず、後遺症と思われる症状を訴える例が各地で報告されている(写真はイメージ)
新型コロナウイルス感染後、PCR検査で陰性になったにも関わらず、慢性的な疲労感や呼吸器の違和感など後遺症と思われる症状を訴える例が、国内外で報告されている。詳しい原因は不明で、厚生労働省が8月から本格的な研究に乗り出したばかりだ。青森県出身.....
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 新型コロナウイルス感染後、PCR検査で陰性になったにも関わらず、慢性的な疲労感や呼吸器の違和感など後遺症と思われる症状を訴える例が、国内外で報告されている。詳しい原因は不明で、厚生労働省が8月から本格的な研究に乗り出したばかりだ。青森県出身者の中にも、体のだるさや匂いを感じないといった症状に長期間悩まされる感染者がおり、「コロナの呪縛のよう」「一生続くものなのか」と不安を打ち明ける。[br] 「匂いを感じないことがつらいと思ってもみなかった。食事が少し楽しくなくなった」。東京都内で家族と暮らす八戸市出身の30代の男性会社員は、“完治”とされてから3カ月がたった現在も嗅覚の異常が続く。[br] 最初に異変に気付いたのは5月下旬。朝起きると、家中に広がっているはずの朝食の匂いがしなかった。ニュースで見聞きしたコロナの症状と一致していた。[br] 日頃からマスクの着用や手の消毒など予防に努めてきた。検査で陽性とされたが、感染経路に心当たりはなかった。濃厚接触者の妻や子どもたちが陰性だったことは救いだった。[br] 医療機関は2週間ほどで退院できた。ただ、嗅覚は回復しなかった。そのため、自主的にホテルで10日間を過ごした。病院へも通ったが、原因は分からず、症状を抱えたまま日常生活に戻るしかなかった。[br] 至近距離でかすかに匂いを感じられるようになったのは最近。なかなか全快しないことでウイルスへの恐怖はかえって強まった。「自分は本当に治っているのか、誰かにウイルスをばらまいていないのか。まるでコロナの呪いのようだ」。自問自答を繰り返す。[br] 5月に感染が判明した横浜市に住む青森県出身の50代の男性公務員も、息切れや体のだるさに悩まされる。「仕事に何とか行っているような状態。早く治らないものか…」と表情はさえない。[br] 初期症状はのどの痛みや微熱だった。入院した医療機関では、すぐに快方へ向かった一方、検査で陽性と陰性を繰り返し、1カ月を過ごした。[br] さらに1カ月の休養を経て仕事へ復帰。迷惑を掛けた分を取り戻そうと懸命に働いたが、疲労感が蓄積するようになり、頻繁に息切れもするようになった。[br] 医師からは「恐らくコロナの後遺症だろう」と言われたものの、具体的な治療法は示されなかった。一緒に暮らす家族が元気なことは安心材料だが、長引く症状が不気味だ。[br] 男性公務員は「一生背負っていくのかもしれないと思うと、不安がこみ上げる」と吐露。「コロナをなめてはいけない。感染していない人たちはこれからも予防を徹底してほしい」と訴える。新型コロナウイルス感染後、PCR検査で陰性となったにも関わらず、後遺症と思われる症状を訴える例が各地で報告されている(写真はイメージ)